商圏分析 用語集

~基礎からトレンドまで~

店舗商圏

店舗商圏とは、店舗へ集客できる範囲のことです。店舗から遠ければ遠いほど集客の可能性は低くなります。商圏内に住む住民数を商圏人口とよびます。商圏は一義的に定められるものではなく、たとえ同一店舗であっても、外部要因によって大きく異なるのが実情です。

 

1.商圏とは?

 商圏とは、来店するお客様の範囲と定義できます。GIS(地図情報システム)を用いれば来店手段に応じた様々な商圏シミュレーションが可能です。店舗の実情(郊外にあるのか都心部にあるのかなど)や、分析の目的(出店基準策定なのか販促エリア最適化なのかなど)に応じて使い分けることが重要です。以下はエリアマーケティング用GIS「マーケットアナライザー(MarketAnalyzer™)」で設定できる商圏タイプの一部です。それぞれのイメージは巻末をご覧ください。

■円形商圏
もっとも基本的な商圏設定です。実質的な商圏範囲ではないので、各個店を分析するというよりは、全国や関東などの広域レベルで、他店や競合店と比較する際に用いられます。

■トラベルタイム商圏
車・自転車・徒歩による来店を想定した到達圏です。自動車に関しては国土交通省の交通センサスと道路ネットワークデータを利用し、渋滞や信号待ちなどを考慮した各道路別の平均通行速度を加味して作成することができます。

■電車商圏
電車と徒歩による到達圏です。駅の平均運行間隔や急行・快速の停車駅などのデータを用いて設定します。都市型店舗での分析によく用いられます。
■顧客分布
ハウスカードなどの顧客情報を地図にプロットしたもの。こちらは実質的な商圏範囲と言えるでしょう。
■顧客カバー商圏
顧客分布の応用です。「顧客数の70%を満たす自動車到達圏」というような定義が可能です。

2.商圏データ

  MarketAnalyzer™は以上のように定義した商圏内のマーケットボリュームを瞬時に集計することができます。500mメッシュや町丁目といった小地域単位にセットされた様々なデータ(人口や世帯数など)を、面積按分という手法で空間的に処理することによって、「◯◯店の自動車10分圏内の年収1500万以上世帯数は◯◯世帯」ということがわかります。このような集計結果を商圏データと呼びます。
 SCや商業施設での分析だけではなく、多店舗展開チェーン企業全般に言えることですが、複数の店舗・施設群の商圏データを一括集計し、色々な分析を行うことが昨今の分析トレンドとなっています。

複数店舗の商圏データを用いた分析の切り口として以下のような種類があります。

■既存店の評価
売上が商圏ボリュームに比例しているかを確認する。
■相関分析
売上に影響を与えるターゲット指標は何かを分析する。
■店舗ランキング
テナントとして出店するSCに優先順位をつける。
■店舗クラスター分析
SCのタイプによって分析の観点が異なるため、商圏特性別にSCを分類し、分類ごとに評価する。

様々な商圏タイプ(一部)

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