導入事例レポート
株式会社エイエイピー様
- 本社所在地
- 静岡県静岡市駿河区森下町3-6
- 事業概要
- 広告事業、印刷事業、映像事業、WEB・IT事業、旅館・ホテルの経営コンサルティング事業等
- 公式サイト
- https://www.aap.co.jp/
土地勘の空白を埋め、納得感を持った提案を届ける。
人流データが変えた観光プロモーションの解像度。
静岡県に本社を置き、全国各地で自治体の観光コンサルティングや民間企業のブランディング、プロモーションを手掛ける広告会社である株式会社エイエイピー様。同社ではクライアントの理解や提案に、人流データを活用しています。従来の広告制作の枠を超え、デジタル技術で定量的にクライアントを支える「DX支援型エージェンシー」のデータ活用について、デジタルビジネス推進担当の芹澤様にお話を伺いました。
芹澤様のお仕事内容について
私たちの部署のミッションは、クライアントが抱える多種多様な課題に対し、最適なデジタルツールやシステムを「発掘」し、それを活用して解決策を「形にする」ことです。 弊社はもともと旅館やホテルのパンフレット制作からスタートした会社ですが、現在は自治体の観光課や宿泊施設、大型商業施設等、多岐にわたるお客様のコンサルティングを行っています。
私はプランナーとして、クライアントの課題解決に直結するツールの選定から、それを実際のプロモーション企画にどう組み込むかという設計までを担当しています。また、手に入れた知見を社内に展開して組織全体の提案力を底上げする役割も担っています。

未知の土地で直面する「土地勘の空白」をどう埋めるかー
着目したのが、人流データ活用による定量的なエリア理解
人流分析ツール導入の理由は?
全国各地の案件を扱う中でどうしても避けられない「土地勘のギャップ」を埋めるためです。
初めて担当するエリアや、予約データをお持ちでない新規のお客様の場合、「どんな人が、どこから来ているのか」を正確に把握するのは簡単ではありません。
以前は、担当者の感覚やお客様の「体感」を頼りにターゲットを設定する場面もありましたが、それだけでは根拠として少し弱くなります。未知の土地であっても、データに基づいて「この層を狙うのが正解です」と自信を持って言える、納得感のあるエビデンスがどうしても必要でした。
【活用事例1】観光PRの「8割」を1都1県でカバー
データが導き出した、配信エリアの選択と集中
神奈川県の案件では、非常に具体的な成果を出されたと伺いました。
どのようなアプローチをされたのでしょうか?
神奈川県観光課様の観光プロモーションにおいては、過去に制作された既存の観光動画を活用し、「どの動画を、どの層に届けるのが一番効果的か」という配信ターゲットの選定にKLAを活用しました。今ある動画のポテンシャルをデータによって最大化しつつ、再編集の際のターゲットと素材を絞り込む戦略です。
具体的に、どのような発見があったのでしょうか?
県内の各観光エリアの中から、相模湖周辺や城ヶ島といった主要な観光スポットをピックアップして分析したところ、場所によって来訪者の属性が全く違うことが浮き彫りになりました。例えば「このエリアは男性比率が圧倒的に高いけれど、あちらは30代女性が伸びている」といった具合です。これに合わせ、既存の動画素材の中から「この属性にはこの動画」という風に、配信の組み合わせを緻密にプランニングしていきました。
配信エリアについても、データで絞り込みをされたそうですね。
はい。あるスポットの来訪者の流入元を調べたところ、約8割が東京都と神奈川県内からであることが判明しました。近隣県(静岡や埼玉等)を含めた広い範囲への配信も検討していましたが、あえてカットし、流入が集中しているエリアに予算を投下することで、高効率な運用を実現できました。

【活用事例2】スタンプラリーで「地域回遊」をデザインする
プロモーション以外での活用シーンはありますか?
自治体様からご依頼いただく「スタンプラリー」のスポット選定でも重宝しています。有名な場所ばかりを繋ぐのではなく、混雑しすぎている場所を避けつつ、地域をどう回遊してもらうかという視点です。
データを見て「人は多いけれど、実は立ち寄られていない穴場」を探し出し、そこをあえてスタンプラリーのルートに組み込むことで、地域全体の活性化に繋げる提案をしています。
最近は、宿泊地分析を使って「お昼は来ているけれど、夜はどこに流れているのか」というマクロな分析も始めており、宿泊誘導のヒントも探っているところです。
導入のメリットは、プレゼン時に感じる「データ」という武器の強さと
単なるツールを超えた「パートナー」としての関係性
社内やクライアントからの反応はいかがですか?
営業担当が自分たちで根拠となる数値を出し、自信を持って提案できるようになったことは大きなメリットです。
KLAのデータは、大手通信キャリアであるKDDIのGPSデータと公的統計を掛け合わせているため、信頼性が高く、クライアントにも説明がしやすいので助かっています。自治体のお客様とも「そうそう、まさにこんな感じだよね」とスムーズに認識が合います。
また、ツールの機能だけでなく、営業やカスタマーサポートといった運営チームの支援も心強いです。定期的なセミナーや活用のヒントが詰まったnote記事等、様々な接点をつくって分析手法やノウハウを共有してくれているなと感じます。単なるツール提供者というよりは、私たちの企画力を一緒に高めてくれる「パートナー」のような関係ですね。

「点」から「面」へ。マクロ分析で挑む広域観光の課題解決
最後に、今後の抱負をお聞かせください
これまでは特定の施設やピンポイントなエリアの分析が中心でしたが、これからはもっと広い「面」での提案に力を入れていきたいと考えています。
最近の機能アップデートでは、「前後立ち寄り分析」ができるようになりました。こうした機能を使いこなせば、より広い視点での観光戦略立案にもチャレンジできると思います。

例えば、「昼間はたくさん人が来ているのに、なぜ自社のホテルには泊まらないのか」といった、地域や施設が抱える悩みに対して、「お昼にいた人たちは、夜はどこへ流れているか」を突き止める。そうしたマクロな人流の把握ができれば、単なるプロモーションの枠を超えた、地域全体の課題を解決するような本質的な提案ができるはずだと考えています。
これまで培ってきた「代理店としての企画力」に、この「確かな分析力」を掛け合わせて、より大きなインパクトを地域に生み出していきたいですね。
(取材月:2026年3月)
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【営業担当からの一言】 エイエイピー様にはKDDI Location Analyzerを長年ご活用いただいております。 |

