導入企業インタビュー

株式会社ジーシー

株式会社ジーシー

本社所在地
東京都文京区本郷3-2-14
事業概要
歯科材料及び関連機械・器具の製造販売
公式サイト
https://www.gcdental.co.jp/

歯科材料及び関連機械・器具の製造販売を行う株式会社ジーシー様は、1921年に創立され今年で101周年を迎えられる歯科医療総合メーカーです。歯科医院の開業支援時の市場調査を目的に、2006年より当社の商圏分析GIS(地図情報システム)MarketAnalyzer™をご導入いただいております。

今回、東京支店 副支店長の合川 真志様に、診療所の立地調査におけるGISおよびデータの活用法についてお話を伺いました。

立地選びは、いわば開業準備のスタートライン。
事業計画にも深く関わるその大事なプロセスを
データで論理的に支援できる強み。



どのような業務にご活用ですか?

当社は、歯科医師の方々を対象に、歯科治療に伴う各種材料、機械・器具等の製造販売を行っている会社です。

大型機器を導入するタイミングとして開業時が多くありますが、その時のサポートのひとつとして開業エリアの市場調査を行っております。具体的には、MarketAnalyzer™ 5(以下、MKA5)を活用して歯科医師の方が開業を考えているエリアの市場を調べ、集患シミュレーションをすることで、立地選定の根拠づくりに活用しています。

MKA5を導入して15年以上経ちますが、近年より周辺の診療所の状況も含め、具体的に集患シミュレーショができるデータを導入してから、全国の拠点で活用の頻度が上がりました。
現在、北海道から沖縄まで、全国の市場調査を東京支店で一括して行っていますが、約半年の期間で165件ほども調査依頼が入ってきます。年度末等の物件が動く時期に依頼が集中する傾向はありますが、多い時では日に10件を超える依頼が入ってくることもあり、データ活用の需要が社内でも浸透していると感じます。

個人で運営されていらっしゃる先生が多いため、開業エリアの選定は悩まれるケースが多く、お一人の先生に、複数のエリアやパターンで何度も調査資料をお出しすることも多いです。
例えば、まずはお父様が開業なさっていたエリアで分析データを出してみて、経験値をもとにその信ぴょう性を感じていただき、今度はご自身の希望する開業エリアを複数見ていくという感じで、次々と活用が広がっていく感じです。こうして先生方のニーズに細かくお応えすることは、付加価値を感じていただける一助となっています。
診療所を開く場所が、将来にわたり安定して集患ができるエリアかどうか。この需要な選定を支援する際に、経験や勘ではなく、根拠のある数字を提案できるのは大きな強みです。

MKA5を導入する前は、歯科医師名簿が公開されているので、それらをアナログで取り寄せたり、役所からデータをもらってきたりして、手書きで歯科医院をプロットしたりと、大変手間がかかっていたので、今のような件数は到底調査しきれなかったですね。

開業エリア周辺に住む人は、どんな人が多いのか。
患者数だけでなく患者さんの層も捉えられるよう
今後は、統計データを複合的に読み解く必要がある。



システムやレポートの使い勝手は?

MKA5は、調査対象エリアの商圏レポートをExcelで出力でき、社内で共有しやすいです。 調査データは、なるべく現場の営業担当が使いやすいよう、レポートの項目を自社向けにカスタマイズし、歯科医師の先生方へ説明しやすい仕様にようにしています。
最初のころは、私たちも分析に慣れていなかったこともあり、どの数字が何を示しているか分からなかったのですが、技研商事インターナショナルの営業やサポートに色々とレクチャーしてもらい、またレポートをカスタマイズしたこともあり、分析の担当者も、現場の営業担当者も段々と分かるようになってきました。

今は、現場からでてくる質問については、分析担当で回答できています。ただ、今までは推計患者数が分かれば十分だったのですが、先生方もニーズが多様化し、どんな層の患者さんがいらっしゃるかといったことを聞かれるため、データの見方や説明の仕方などは、改めて学ぶ必要が出てきていると感じます。

【MarketAnalyzer™ 5 Excelレポート機能】
※ジーシー様の実際のレポートではなく、標準機能のレポートイメージです。


社内で、レポートを初めて活用する人が増えており、初めて見る人も出てくるため、歯科医師の先生方により深い提案ができるよう、商圏分析レポートの細かな見方については社内研修が必要かな、という話はでています。もしそういった研修を実施する際は、ぜひまた技研商事インターナショナルにもサポートしてもらえると助かります。


当社には、30年以上の運用支援を通じて、
データの見方や伝え方のノウハウがたまっておりますので、ぜひお手伝いできればと思います。
レポートでは、どのようなデータをご活用ですか?

患者さんがどのくらい来るかというデータは最も興味を引くところです。
あとは、地域の人口の年齢層(人口ピラミッド)や、将来にわたっての人口予測(将来人口)などを見ていただきます。人口の増減は、今後の来院数のポテンシャルに影響する部分なので、先生方の興味も高いです。

また、最近追加した「各診療所の1日当たりの外来患者数」や「従業員の内訳データ」は、開業エリアを決める際にとても参考になるデータです。それまでは、経験値やインターネットで拾える周辺の診療所情報からしか分析できなかった部分が、この数字が出るようになってから具体的になり、集患の想定がリアルになってきました。分析にかかる時間も短縮されましたね。
これらのデータは、すべてレポートに一括で表示されるようにしており、使いやすくて社内の評判も良いです。
こうした診療所のデータは、歯科医院の数や規模が分かるため、開業支援だけでなく、どのエリアにどのくらいの需要があるかを把握でき、当社の営業マーケティングでも参考にしています。

今後の活用について

全国の拠点から調査の依頼が増えており、MKA5の活用数も増えているため、分析アカウントを増やすことを検討しています。
今は、開業を考えている先生の所に営業にいく際に、事前準備で任意のエリアのレポートを参考資料としてお持ちし、改めて具体的なエリアを調査するといった流れがメインですが、各拠点で分析できるようになると、先生から「こういう場所も見たい」と言われた際に、自分たちでその場ですぐに対応できるようになるため、対応の手間が省け、スピードが上がってくるものと考えています。

あとは、コロナ禍により働き方改革やテレワークの浸透が進んだ影響なのか、都心では、従来ですと「会社帰りにホワイトニングをする」といった口腔ケアの需要が、都心からアクセスのよい場所や、居住地に移ってきているといった動きも見られます。こうした変化をとらえるためにも、昨今増えている様々なビッグデータと、今使っている統計データと組み合わせつつ、最適な開業予定地をレコメンドしてくれる仕組みや、「実はこのエリアはこんなニーズがあるかもしれない」といった需要の予測等ができるようになると面白いと思います。
(取材日:2022年5月)