導入企業インタビュー

株式会社東武ストア

株式会社東武ストア

本社所在地
東京都板橋区上板橋3丁目1番1号
事業概要
首都圏(東京、埼玉、千葉エリア)において食品を中心としたスーパーマーケットを展開
公式サイト
https://www.tobustore.co.jp/

様々な統計データから、商圏内のボリュームゾーンを特定。
売上予測や販促/MD戦略等、幅広い業務に活用。
人流データもプラスし、競合の影響も踏まえた店舗分析を強化。


東京都、埼玉県、千葉県にて60以上の店舗(2023年12月現在)を展開されているスーパーマーケット、東武ストア様。長くご利用の商圏分析GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer 5」に加え、2023年より新たに人流分析が可能な「KDDI Location Analyzer」も導入され、公的統計と位置情報を活用したエリアマーケティングに取り組まれています。
両システムの活用術について、施設管理担当課長 新規事業、テナント開発担当の太田 政一様に伺いました。

東武ストア太田様

太田様のお仕事内容について


主に新店候補地の選定や、新店開店業務(物件オーナー様、社内関係部署、工事関係者との交渉・調整)を行っています。候補地の選定は、物件周辺の商圏ポテンシャルを分析し、事業性が保てる土地を選びますが、その商圏分析でMarketAnalyzer 5(以下、MKA)を活用しています。
また、新店だけでなく、既存店のオーナー様の対応(契約内容の変更や更新に伴う調整等)も行っています。


東武ストア様は、MKAに加えて、昨年人流分析が容易にできるKDDI Location Analyzer(以下、KLA)も導入されました。
まずは、MKAの活用についてお教えください。

1つ目は、初期の新店候補地の売上想定の算出に使っています。
商圏を設定し競合店の情報を取りこんで、予測月商売上を出して初期判断にしています。MKAの商圏レポートにある様々な項目から必要なものをピックアップし売上予測をたてますが、この数字が事業収支のベースになってきます。

2つ目は、役員プレゼンの資料作成に活用しています。
MKAの地図を使って商圏図を作り、初期に立てた売上想定から商圏を精査して予測売上を出し、事業収支作成のデータとして使っています。
地図上に商圏を可視化すると、客足を妨げる要因になる“川や線路”や、競合店舗の位置等、周辺の環境要因が一目でわかりますし、役員に説明する時にも絵があると明確にイメージを共有できるため説明しやすくなります。現地調査でも、MKAで出したレポートを見ながら視察していますね。


MarketAnalyzer® 5 商圏レポートイメージ




新店開発だけでなく、既存店改装時もデータ活用は必須。
商圏内にどんな人が住んでいるのかによって、店舗に置く商品も変わってくる。

MKAでは、どのようなデータを分析されていますか。

主には、マーケット規模を知る基本データとなる“商圏内の人口・世帯数”や、MD戦略を練るうえで需要な情報となる“性別・年齢別構成比や世帯人数の割合”を見ます。
若い単身層の構成比が高ければ惣菜や冷凍食品を、ファミリー層が多ければ肉が売れる、容量が大きいものが売れる等、社内でのMD計画の参考データとして活用しています。

また、年収データも商品構成や販促活動に活用します。MKAのレポートでは、商圏の数値だけでなく、商圏のある都道府県の数値も比較対象として出てくるため、マーケティング戦略に活かしやすいです。
都道府県と比較して高所得者が多ければ、こだわりの商品や高価格帯の商品の品ぞろえが必要だ等の仮説が立てられます。その他、消費支出特性昼間人口将来人口等、様々な角度から店舗周辺エリアのポテンシャルを見ています。


既存店改装時の活用について

既存店の改装時にもMKAで改めて商圏分析をし、人口や年代等のデータを見つつオープン当時との変化を把握します。オフィス立地では、通勤時やランチタイムのニーズを把握するため昼間人口等も細かく見て、店舗コンセプトや商品構成を作る材料の一つにしています。

やはり、データで商圏構造を見直すというのは重要です。年配の人が多いと思いシニア向けの品揃えを強化していたが売れ行きが芳しくなく、MKAで調べて見たら、実際は若い層が転入し商圏内の人口が若返っていたことが分かったといったようなケースもありました。店舗改装だと将来人口等もみて、該当エリアの今後の傾向も分析しています。


KDDI Location Analyzerはどのような活用をしていますか?

主に、新店候補地周辺の人流調査に使っています。
特に駅前立地等では、店前の通行人口等をすぐに測れるようにしたかったので、重宝しています。
もちろん現地調査もしますが、事前に周辺の人通りの傾向を把握していたほうが効率がよいです。KLAでは、通る人の方向も分けて人流が取れるのでよいですね。

KDDI Location Analyzerの主要動線分析画面
KDDI Location Analyzer 主要動線分析イメージ
※東武ストア様の実際の分析画面ではありません。


以前は、駅からの距離を見るのが中心でしたが、KLA導入後は、より具体的に通行量や動線、傾向まで把握できるようになりました。
例えば人通りの多い面に入口を作ったり、客足が多い時間帯を知ることで店内イベントの企画に活かしたり、来訪者の居住地を知ることでチラシ配布エリアを最適化したりと、さまざまな業務に活用しています。

KLAは、競合分析を手軽にできるのが強み。
ダッシュボードやマップで、視覚的に自店と競合店の立ち位置が把握でき
それぞれの集客エリアや併用率なども一目で分かる。

KLAのよく使う機能の一つに、6地点来訪者居住地分析があります。
競合店の来訪者の居住地や属性だけでなく 自店と競合店の来訪者の地域も可視化でき、どのエリアはどこの店舗が強いかや、どのエリアが競合店に取られているのか等が視覚的に分かります。
KLAの分析ダッシュボードでは、既存店と複数の競合店における併用率やシェア分布も一目で分かるので、お客様の買い回り状況も推測することができます。

競合を含めた店舗の併用分析ができるKDDI Location Analyzerの6地点来訪者居住地分析画面
KDDI Location Analyzer併用分析イメージ
※東武ストア様の実際の分析画面ではありません。

KLAの活用により、今まで外注に頼まなければ出せなかったGPS(人流)データをいつでも出せるようになりました。また、データの鮮度が高いため最新の傾向がつかめる点や、ピンポイントに日付を指定して調べられるため季節や曜日による傾向なども掴みやすい点が優れていると感じます。インターネットがつながるパソコンがあれば、社内どこでも使用できるのもよいですね。



MKAの統計データで見る居住者の傾向と、
KLAの店舗来訪者の傾向。
それらを比較し、自社店舗の顧客像における示唆を得る。



(MKAの活用メリット)

MKAを使うメリットは、簡単な操作ですぐに商圏データを得られる点です。
私以外の人でも、やり方を学べば誰でも客観的にマーケットボリュームを測れます。一から自分でデータを探すとすごく時間がかかるので、データ収集や加工(按分)といった手間が省けるだけでもかなり時間短縮になります。

商圏レポートをExcel出力でき、そのまま会議資料として使える点もメリットです。
私たちの仕事はオーナー様との調整・交渉にかかる時間が多くなるため、分析作業をMKAでまとめて一気にできるのは非常に助かります。



(KLAの活用メリット)

通行人口や滞在人口のボリュームだけでなく性・年代別等の属性も把握できる点もうれしいのですが、一番は、今まで分からなかった“競合のデータ”が取れることでしょうか。客観的かつ新鮮なデータで競合の動向をリアルに把握できるのは画期的です。6地点分析で自社と競合店を含めた店舗ごとの実商圏を可視化し、どのエリアだとどの店舗が強いか等の実勢把握に活用しています。

—今後の活用について

統計データは店舗周辺に住む人の傾向は掴めますが、店舗に来る人は居住者だけではありません。MKAの統計データで見る居住者の傾向と、KLAの人流データで店舗来訪者の傾向を比較することで、自社店舗の顧客像等の仮説を立てています。

今は両システムを併用する形ですが、今後はシステムを連携し、人流データをMKAの売上予測モデルの変数として活用したり、人流データと自社の店舗データをクロスして分析したりと、より深い活用ができればと考えています。
また、両システムとも販促や改装でまだまだ活用領域が多いため、技研商事インターナショナルで開催しているレクチャーやウェビナー等を活用し、他の部署での活用も広めていきたいと思っています。

特にKLAはマニュアルレスで簡単に操作できますし、定額で何回でも調べられるので、社内で活用できる人を増やせたらと思います。自分で直接調べることで、「もっと違う条件で見てみたい」「この期間と比べたらどうだろう」というように次々と知りたいことが出てきますし、その場で分析し解決できます。この繰り返しにより店舗や顧客に対する特性や理解を深めていくよいサイクルが作れればと思います。

(取材月:2024年1月)

導入頂いたシステム

GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer 5」

【探索的かつ高度な分析に対応】ビッグデータ時代の商圏分析・エリアマーケティングシステム(詳細はこちら


GIS(地図情報システム)「KDDI Location Analyzer」

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