インテックス大阪の展示会にはどれくらい来場する?
施設概要・アクセス・来場者分析
はじめに
技研商事インターナショナル株式会社は、エリアマーケティング用GIS(地図情報システム)を提供する企業です。マーケティング・プロモーション目的で、年間5~6回、ビジネス系の展示会に出展しています。直近では、9月24日(水)から26日(金)まで、RX Japan株式会社が主催する日本最大級の展示会の一つである「マーケティングWeek大阪」にブースを出展しました。
ビジネス系に限らず、大型のイベントが開催される主要な場所は限定されると思います。インテックス大阪は、”西日本最大”のイベント会場とのことです。どんなところか気になりませんか?
当社がKDDIと共同開発・共同提供している人流分析GIS
「KDDI Location Analyzer」
を用いて、インテックス大阪の来場者について「どんな人が、どこから、どれだけ来場したのか」を分析してみました。
本コラムでは、インテックス大阪の基本的な施設情報から、データに基づいた来場者の実態までを詳しく解説します。前半部分はインテックス大阪の公式サイトやインターネット上の公開情報から当社調べでまとめたもの、後半部分は当社ならではの分析という内容です。
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インテックス大阪:施設、アクセス、周辺情報
インテックス大阪は、ビジネスイベントから大規模なコンサート、同人誌即売会まで、多種多様な催しが開催される西日本最大の国際展示場です。
インテックス大阪の施設概要
インテックス大阪は、大阪市住之江区南港北に位置し、約13万平方メートルの広大な敷地を誇ります。施設は、中央のインテックスプラザ(屋根付き広場)とスカイプラザを囲むように配置された6つの展示館で構成されており、総展示面積は約7万平方メートルに及びます。
館内には、レストランやフードショップ、約600個のコインロッカー(ICカード対応機あり)、ベビールーム(授乳室)など、来場者の利便性を高める施設が充実しています。
<インテックス大阪の施設>
• 1号館:最も広い展示スペース
• 2号館:多様なイベントに対応
• 3号館:中小規模の展示会に最適
• 4号館:多目的利用が可能な空間
• 5号館:展示会やイベントに利用可能
• 6号館:イベントホールと会議室を完備
これらの施設は、展示会だけでなく、コンサートやスポーツイベントなど、幅広い用途に対応できるように設計されています。各館は連結可能で、イベント規模に応じて柔軟なレイアウト変更が可能です。様々なイベントが開催される多目的施設です。
インテックス大阪へのアクセス
インテックス大阪へのアクセスは、電車、バス、車と多様な選択肢があります。
■ 最寄り駅
インテックス大阪には3つの最寄り駅があり、それぞれ徒歩での所要時間が異なります。
• 大阪メトロ ニュートラム 中ふ頭駅: 徒歩約5分
• 大阪メトロ ニュートラム トレードセンター前駅: 徒歩約8分
• 大阪メトロ 中央線 コスモスクエア駅: 徒歩約9分
■ 主要駅からのアクセスルート
大阪の主要ターミナル駅からのアクセス方法と料金は以下の通りです。
• 大阪(梅田)駅から
ルート1:
大阪メトロ御堂筋線で「本町」駅へ行き、中央線に乗り換え「コスモスクエア」駅で下車。所要時間約40分、交通費290円。
ルート2:
JR環状線で「弁天町」駅へ行き、大阪メトロ中央線に乗り換え「コスモスクエア」駅で下車。所要時間約35分、交通費410円。
• 新大阪駅から
JR東海道線で「大阪」駅へ。その後は上記「大阪(梅田)駅から」のルートと同様です。
難波(なんば)駅から: 大阪メトロ四つ橋線で「住之江公園」駅へ行き、ニュートラムに乗り換え「中ふ頭」駅で下車。
■ バスでのアクセス
• 大阪(梅田)駅からの直通バス
イベント会期中には、JR大阪駅とインテックス大阪を結ぶ直通バスが運行されます。乗り換えなしでアクセスできるため非常に便利です。料金は片道800円(現金のみ)です。
• コスモスクエア駅からの循環バス
コスモスクエア駅とインテックス大阪間を約5分で結ぶ循環バスも運行されています。料金は片道150円(現金のみ)です。
• 関西国際空港からのリムジンバス
遠方からの来場者には、関西国際空港から会場近くのホテルまで直通のリムジンバスが便利です。
インテックス大阪周りの便利情報
イベント参加に伴い必要となる周辺情報も重要です。
■ ホテル
インテックス大阪の周辺には、徒歩圏内のホテルから、公共交通機関でアクセスしやすいエリアのホテルまで、多様な宿泊施設が存在します。
• 徒歩3分圏内
グランドプリンスホテル大阪ベイ、ホテルフクラシア大阪ベイ、クインテッサホテル大阪ベイなど、会場に最も近いホテルです。
• アクセス至便なエリア
大阪メトロ中央線で乗り換えなしの「本町」駅周辺や、「なんば」駅周辺にも多数のホテルがあります。スーパーホテルPremier大阪本町駅前などは、会場へのアクセスも良く、ビジネスや観光の拠点としても便利です。
■ 駐車場・駐輪場
• 自動車駐車場
施設内に有料駐車場(1,800台収容)が完備されています。また、周辺にはタイムズなどのコインパーキングも複数存在し、料金体系は様々です。
• 駐輪場
公式には、インテックス大阪の施設内に来場者用の駐輪場は設けられていません。自転車での来場は推奨されていませんが、近隣のATC(アジア太平洋トレードセンター)の駐車場には無料のバイク用駐車スペースがあり、二輪車で訪れる際の選択肢となり得ます。
■ 喫煙所
2020年4月の改正健康増進法の全面施行に伴い、インテックス大阪では受動喫煙対策が強化されました。館内(展示館、会議室を含む)は全面的に禁煙となっており、喫煙は指定された屋外の喫煙コーナーでのみ可能です。喫煙所は西ゲートのコンビニ横や6号館1階などに設置されています。以前に比べて喫煙所の数は削減され、ガラスで囲われた喫煙ルームへとリニューアルされています。
インテックス大阪の来訪者:人流データで分析してみた。
インテックス大阪の利便性を理解した上で、次に「どのような人々が訪れているのか」をデータで解き明かします。KDDI Location Analyzer を用いた人流分析は、イベントの特性や来場者の動向を浮き彫りにし、マーケティング戦略に不可欠な情報を提供します。KDDI Location Analyzerは当社とKDDI株式会社で共同開発・共同提供している、GPS位置情報(※)を搭載したGIS(地理情報システム)サービスです。
※KDDIがauスマートフォンユーザー同意のもとで取得し、誰の情報であるかわからない形式に加工した位置情報データおよび属性情報 (性別・年齢層)を指します。
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「マーケティングWeek大阪2025」来場者の属性と居住地分析
先日開催された「マーケティングWeek大阪」は、マーケター、広告・宣伝、営業推進の担当者などが一堂に会する、まさにマーケティングの専門展です。このイベントの来場者を分析することは、我々のターゲット顧客層そのものを分析することに他なりません。
ちなみに当社のブースはこちらです。↓↓
【技研商事インターナショナルブース】
このイベントに来場した人の属性(どんな人)や居住地(どこから)を見ていきましょう。
まずはインテックス大阪の建物・敷地を下記地図のように囲って設定します。この範囲のことを“ジオフェンス”といいます。KDDI Location Analyzerでは、日本全国どこでも何個でも任意のジオフェンスを設定することができます。
【インテックス大阪にジオフェンスを設定】
今回のジオフェンスはインテックス大阪全体を囲いました。「マーケティング Week大阪」と同時開催の「ライフスタイルWeek大阪」「COSME Week大阪」の会場も含めています。
来訪者属性分析
マーケティングWeek大阪が開催された2025年9月24日(水)~26日(金)の来訪者の属性(性別・年代)を集計しました。
全体の来訪者数は約11,500人という結果でした。もちろん推計値ですが、主催社の公式発表ですと、10,902人とのことですので、一致率95%は妥当な推計値であると思います。

【マーケティングWeek大阪来訪者の性・年代】
20代~50代(特に20代~40代)が多いですね。オレンジは女性、青は男性ですが、20代は女性が多め、30代と40代は男性が多めという傾向が見て取れます。
3日間の時間帯別来訪者数は以下のとおりです。開催時間は10時~17時です。午前中よりも午後のほうが賑わっていました。
【展示会の会期3日間の、時間帯別来訪者数】
来訪者居住地分析
GPS位置情報は最短数分に1回取得しているので、月単位で深夜時間帯に最も出現した場所を居住地と判定しています。この情報を使って来訪者の居住地分布を地図上に可視化しました。
【マーケティングWeek大阪来訪者の居住地分布】
上記画面は市区町村単位の来訪者分布です。赤色が濃いエリアほど多くの方が来訪しているということを表します。KDDI Location Analyzerでは都道府県、市区町村、町丁目単位で見ることができます。
都道府県別に見ると、大阪府、兵庫県の次が東京都でした。ブース出展企業の社員の方も含まれていますが、大規模展示会なので広範囲から集客できているのかもしれません。
インテックス大阪:年間来場者数TOP3のイベントは?
ここまでは「マーケティング Week大阪」開催期間中のインテックス大阪への来訪者分析でした。
過去1年間(2024年8月~2025年9月)でインテックス大阪への来訪者数が最も多かったのはいつかを分析すると、施設の持つもう一つの顔が見えてきます。
インテックス大阪の1年間の来訪者数推移
下のグラフは、2024年10月から2025年9月までのインテックス大阪への来訪者の日次の推移です。このデータとインテックス大阪の公式イベントカレンダーを突合して、過去1年間で最も集客力のあったイベントTOP3を調べてみました。
【過去1年間のインテックス大阪来訪者数推移】
来訪者数TOP3のイベントと来訪者ペルソナ
TOP3のイベントは以下でした。
❶ 1月12日(日): SUPER COMIC CITY関西
マンガ・アニメ・ゲームなどのオールジャンル同人誌即売会です。1万を超えるサークル(出展者)と数万人のファンが集まる大規模なイベントです。
❷ 2月9日(日): 大阪オートメッセ 2025
カスタマイズカーを中心とした関西最大級のモーターショーで、会期中には20万人以上が来場します。
❸ 8月17日(日): GOOD COMIC CITY 大阪
こちらも関西最大級の同人誌即売会で、多くの若者やアニメ・マンガファンで賑わいます。
これらの日はすべて日曜日に集中しており、開催されているのはBtoC、特に趣味やエンターテインメント性の高いイベントです。来場者層は若年層が中心となり、友人同士や家族連れなど、ビジネスイベントとは全く異なるプロファイルを持つことが想定されます。同じ施設であっても、開催されるイベントによって集まる人々の属性が劇的に変化することが、この分析から明らかになります。
ビジネス展示会の人流分析:平日開催イベントの来場者動向
次に、ビジネス利用の実態を探るため、平日(金曜日)に絞って来場者数が多かった日を分析します。
• 10月4日(金): 第27回 ものづくり ワールド [大阪] / EDIX(教育総合展)関西
製造業の最新技術や教育分野のICTソリューションが一堂に会する、専門性の高いBtoB展示会です。
• 2月7日(金): 大阪オートメッセ 2025
週末は一般客で賑わいますが、金曜日は業界関係者の来場が多いビジネスデーとしての側面も持ちます。
• 5月16日(金): 第1回 [関西] ネプコン ジャパン / 第13回 高機能素材Week[大阪]
エレクトロニクス開発や高機能素材に関する最先端技術の展示会です。
• 5月30日(金): JECA FAIR 2025
電気設備に関する資機材やシステムの総合展示会です。
• 9月19日(金): 関西グランドフェア2025
機械工具や産業機器などを扱う専門商社などが主催する大規模な商談会です。
このように、同じ場所でも曜日やイベント内容によって「市場」の性質が全く異なることをデータで把握することが、効果的なマーケティングの第一歩です。
まとめ
本コラムでは、インテックス大阪の基本的なガイド情報から、人流データを用いた専門的な来場者分析までを網羅的に解説しました。分析から明らかになったのは、インテックス大阪が開催されるイベントに応じて、全く異なる来場者プロファイルを持つダイナミックな施設であるという事実です。
大規模なコンシューマー向けイベントが開催される週末と、専門的なビジネス展示会が開かれる平日とでは、来場者の属性、居住地、そして行動パターンは大きく異なります。このような来場者の実態を正確に把握することは、出展計画の策定、広告戦略の立案、さらには周辺地域の活性化に至るまで、あらゆるビジネス活動の成果を最大化する上で不可欠です。
このインテックス大阪の分析が示すように、来場者の「誰が、どこから、いつ」という情報を把握することは、効果的なエリアマーケティングの基盤となります。KDDI Location Analyzerのような位置情報インテリジェンスツールは、こうした洞察を戦略へと転換するために必要な、客観的で信頼性の高いデータを提供します。自社のビジネス課題に対して、このようなレベルの分析をどのように活用できるかご興味をお持ちの方は、ぜひ当社ウェブサイトをご覧いただくか、デモンストレーションについてお問い合わせください。
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監修者プロフィール
市川 史祥
技研商事インターナショナル株式会社
執行役員 マーケティング部 部長 シニアコンサルタント
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医療経営士/介護福祉経営士 流通経済大学客員講師/共栄大学客員講師 一般社団法人LBMA Japan 理事 Google AI Essentials Google Prompt Essentials
1972年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。不動産業、出版社を経て2002年より技研商事インターナショナルに所属。 小売・飲食・メーカー・サービス業などのクライアントへGIS(地図情報システム)の運用支援・エリアマーケティング支援を行っている。わかりやすいセミナーが定評。年間講演実績90回以上。 |
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