エリアマーケティングラボ

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経済センサスとは?データ分析での活用方法と事例

2025年7月4日号(Vol.158)

はじめに

「経済センサス」という言葉をニュースや書類で目にしたことはありますか?「なんだか難しそう…」「うちの会社に関係あるの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、経済センサスは日本中のビジネスの現状を明らかにする「ビジネス版の国勢調査」であり、活用次第で企業の売上向上や業務効率化につながる「宝の地図」となり得ます。
この記事では、経済センサスの基本から、明日から使える具体的なマーケティング活用法までをわかりやすく解説します。


以下のようなお悩みをお持ちの方におすすめです。
  • 新規出店や営業先のリストアップに役立つデータが欲しい
  • データ分析に興味があるが、何から始めればよいか分からない
  • もっと効率的にマーケティングを行いたい

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そもそも「経済センサス」って何?

経済センサスとは、総務省と経済産業省が日本国内のすべての会社や事業所を対象に実施する大規模な調査です。これは「日本のビジネス界全体の健康診断」とも言え、日本経済の現状や地域ごとの産業構造を明確にします。
調査には大きく分けて、下記の2種類があります。

1.経済センサス-基礎調査

基礎調査の主な目的は、事業所の名称、所在地、従業者数といった基本的な構造を把握し、日本全国の事業所・企業の「名簿(母集団情報)」を整備することです。

■ 主な調査項目:
事業所の名称・所在地、従業者数、事業内容、経営組織など

■ マーケティング上の意味:
BtoBマーケティングや営業戦略において、「このエリアには、どのような企業が、どこに、どれくらいの規模で存在するのか?」という基本的な問いに答えるためのデータを提供します。これは究極の「プロスペクティング(見込み客発掘)リスト」や「テリトリーマップ」として活用できます。

2.経済センサス-活動調査

活動調査は、基礎調査で作成された名簿を基に、売上高や費用、設備投資額といった、より詳細な経済活動の実態を明らかにするための調査です。
主な調査項目:
年間総売上高、費用の内訳、設備投資額、資本金など

マーケティング上の意味:
「このエリアの市場規模はどれくらいか?」「地域経済は活発か?」といった出店計画や投資判断における重要な問いへの答えを提供します。

これら2つの調査結果を組み合わせることで、日本経済を多角的に理解することが可能になります。

地域活性の分析イメージ



経済センサス、3つの活用法

経済センサスのデータは、国や自治体の政策立案だけでなく、民間企業がビジネスチャンスを発見するための貴重な情報源となります。ここでは、下記の代表的な3つの活用法を事例と共にご紹介します。


  1. ・活用法1:出店戦略の精度を上げる「商圏分析」
  2. ・活用法2:ムダをなくす「エリアマーケティング」
  3. ・活用法3:ライバルに差をつける「競合分析」

活用法1:出店戦略の精度を上げる「商圏分析」

「新しいお店を出すなら、どこがいいだろう?」これは多くの経営者が頭を悩ませる問題です。経済センサスを使えば、その答えが見えてきます。


事例:飲食店のランチ需要を予測!
カフェや定食屋を開きたいと考えたとき、重要なのは「お昼の時間帯に、そのエリアにどれくらいの人がいるか」です。経済センサスでは、地域ごとの「従業員数」がわかります。
つまり、「このエリアはオフィスが多くて、お昼休みのサラリーマンで賑わいそうだ」「ここは工場地帯だから、がっつり系の定食が人気かもしれない」といった仮説を、データに基づいて立てられるのです。勘や経験だけに頼るのではなく、データという強力な裏付けを持って出店計画を進められます。

飲食店のランチイメージ

活用法2:ムダをなくす「エリアマーケティング」

自社の商品やサービスを、本当にそれを必要としている人に届けたいですよね。経済センサスは、そんな効率的なマーケティング活動の強い味方になります。


事例:BtoBサービスの営業リストを自動作成!
例えば、あなたが業務用の会計ソフトを販売しているとします。経済センサスを使えば、「IT企業が多い地域」「最近、新しい会社がたくさん設立された地域」などを地図上で特定できます。
そこにターゲットを絞ってDMを送ったり、営業担当者が訪問したりすれば、やみくもに電話をかけるよりも、ずっと高い確率で成果につながると思いませんか?

活用法3:ライバルに差をつける「競合分析」

ビジネスで成功するには、ライバルの状況を知ることも大切です。


事例:小売店の賢い品揃え戦略
あなたのスーパーの近くに、どんな競合店が何店舗あるか、正確に把握していますか?経済センサスを使えば、商圏内の競合店の数や規模(従業員数)が丸わかりに。
「うちの周りには八百屋さんは多いけど、お肉屋さんは少ないな。じゃあ、うちは精肉コーナーを強化しよう!」といった、データに基づいた戦略的な品揃えが可能になります。


データの入手方法と、初心者がハマりがちな「落とし穴」

「そんなに便利なデータなら、すぐ使ってみたい!」と思いますよね。
経済センサスのデータは、政府の統計ポータルサイト「e-Stat」で誰でも無料で見ることができます。
しかし、ここには一つ大きな「落とし穴」があります。

e-Statのデータは、いわば「畑から採ってきたばかりの新鮮な野菜」のようなもの。とても価値があるのですが、そのままでは食べられません。料理するには、泥を洗い、皮をむき、食べやすい大きさに切る…といった「下ごしらえ」が必要です。
データも同じで、ダウンロードしたままの数字の羅列(ローデータ)では、分析に使うのは非常に困難です。集計したり、不要な項目を削除したりといった専門知識が必要な「データ加工」という作業に、膨大な時間と手間がかかってしまうのです。


下ごしらえイメージ

解決策①:下ごしらえ済み!「すぐに使える経済センサスデータ」

当社では、面倒なデータ加工を済ませ、お客様がすぐに分析に使える形に整えた「経済センサスデータ」をご提供しています。料理でいえば、洗浄・カット済みの「カット野菜」のようなもの。購入後すぐに、Excelで集計したり、分析ツールに読み込ませたりできます。
無駄な作業に時間を奪われることなく、本来の目的である「ビジネス戦略を考える」ことに集中できます。

▶当社の「経済センサス」データについて詳しく見る


解決策②:データ分析を“最強のキッチン”で!「商圏分析GIS」

最高の食材(データ)が手に入ったら、次は最高の調理器具(ツール)が欲しくなりますよね。当社の商圏分析用GIS(地理情報システム)「MarketAnalyzer® 5」は、まさにデータ分析のための“最強のキッチン”です。
経済センサスのような統計データを地図上に取り込み、色分けしたり、グラフ化したりすることで、複雑なデータも直感的に理解できるようになります。

「このエリアは従業員数が多いのに、まだうちの営業がカバーできていないな」
「競合店はこの通りに集中しているから、少し離れたこの場所が狙い目かもしれない」
といったビジネスのヒントが、地図を見るだけで次々と見つかります。

今なら、この「MarketAnalyzer® 5」の全機能を一定期間、無料で体験いただけます! 経済センサスデータを使った高度なエリア分析が、あなたのPCですぐに始められます。ぜひこの機会に、プロの分析環境をご体感ください。



GISの無償提供やトライアル

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経済センサスは“入口”、データの世界はもっと奥深い!


経済センサスは非常に強力なデータですが、万能ではありません。わかるのは「事業所」に関することなので、「そこに住んでいる人の年齢層」や「世帯の年収」といった情報はわかりません。
より精度の高いマーケティングを行うには、

国勢調査:そこにどんな人が住んでいるか(人口、年齢、世帯構成など)
商業統計:小売店や飲食店の年間売上など
年収データ:地域の所得水準


といった他のデータと組み合わせることが重要です。例えるなら、経済センサスという「お店の地図」と、国勢調査という「住人の地図」を重ね合わせることで、最強のマーケティングマップが完成するのです。
当社では、経済センサス以外にも、こうしたマーケティングに役立つ多様な公的統計データや独自データを豊富に取り揃えています。ぜひ一度、当社のデータラインナップをご覧ください。

エリアマーケティングデータラインナップ



まとめ


最後に、この記事のポイントをまとめます。


  • 経済センサスは、日本のビジネスの現状を把握できる「宝の地図」です。
  • 活用することで、出店計画、営業活動、競合分析の精度を格段に向上させることができます。
  • 生データの加工は大変なため、すぐに使える「加工済みデータ」が便利です。
  • 地図ソフト(GIS)を利用すれば、分析がより直感的で楽しくなります。

経済センサスは、あなたのビジネスを次のステージへ進めるための強力な武器となります。
「何から始めたらいいかわからない」「自社ではどう活用できるか」といったお悩みがある場合は、ぜひ当社にご相談ください。データ活用のプロフェッショナルが、あなたのビジネスに最適な「宝の地図」の活用法をご提案します。


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監修者プロフィール

市川 史祥
技研商事インターナショナル株式会社
執行役員 マーケティング部 部長 シニアコンサルタント
医療経営士/介護福祉経営士
流通経済大学客員講師/共栄大学客員講師
一般社団法人LBMA Japan 理事

1972年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。不動産業、出版社を経て2002年より技研商事インターナショナルに所属。 小売・飲食・メーカー・サービス業などのクライアントへGIS(地図情報システム)の運用支援・エリアマーケティング支援を行っている。わかりやすいセミナーが定評。年間講演実績90回以上。




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