導入企業インタビュー

株式会社ムラサキスポーツ

株式会社ムラサキスポーツ

本社所在地
東京都台東区上野7-14-5
事業概要
・アクションスポーツ(サーフィン、ボディボード、スケートボード、スノーボード等)用品の企画・輸入・販売。 ・カジュアルウェア(ストリートウェア、マリンウェア)アクセサリー、シューズの企画・輸入・販売。 ・イベント・大会・スクールの企画・運営。
公式サイト
https://www.murasaki.co.jp/

出店戦略強化のためにGIS(地図情報システム)の導入を決断された株式会社ムラサキスポーツ様。今回は、経営企画に携わる管理本部 部長の杉原様に導入の目的やMarketAnalyzer™採用の理由などを伺いました。
事例紹介パンフレットはこちら(PDF)

はじめに、杉原様のお仕事内容についてお聞かせください。

管理本部で人事総務や情報システムなどを担当しており、同時に経営企画室にも所属しています。当社の中長期の戦略を検討するという経営企画室主幹のプロジェクトがあったのですが、テーマのひとつとして「GIS(地図情報システム)」があり、今回のMarketAnalyzerの導入を担当しました。

店舗を取り巻く環境の変化を
客観的に捉えて出店戦略に活かす。
そのためにGISは不可欠でした。


【GIS(地図情報システム)の導入の背景】

会社の中長期の経営計画を検討するなかで、課題として「出店戦略の立て方」に着目しました。

当社はショッピングモール等の商業施設への出店がメインとなりますが、基本的にはデベロッパーからの出店依頼に応える形で店舗を出していました。近年自社店舗の数も増えており、ショッピングモールを取り巻く環境も変化している中、より客観的なデータや統計に基づく分析を踏まえた出店計画の必要性が増してきたという背景があります。

昔は、ひとつの商圏にモールはひとつという事が普通でしたが、今は徒歩圏内に大きな商業施設が複数存在する時代です。どの施設に出店するのが適切なのか、商圏や人口、年収、車や電車での来店範囲など、細かく分析するにはGISが必要ということになりました。

【MarketAnalyzer™導入の決め手】

他社のシステムとも比較していたのですが、決め手になったのは、売上に影響する外部要因を分析できる「相関スコアリング」機能があること、そして交通機関や自動車での来店分析ができる「トラベルタイム商圏」機能の正確さです。
今後、売上予測や出店分析を深堀していく際に、どちらの機能も使う機会が多いと感じました。また当社の場合は、分析担当数名のみの利用を想定しており不特定多数で使うわけではないので、誰でも使える簡便さよりも、機能的な利便性を選びました。

利用目的は、大きく2つ。
出店分析の精度を高めることと、
自社店舗の競合分析です。


【出店戦略に、客観的な根拠をプラス】

今までの出店判断は、出店依頼をいただくデベロッパーからの商圏分析や想定年商などをもとに判断していく感じでしたが、GISの導入により自社でも客観的な分析を行えるようになりました。

店舗を取り巻く環境も大きく変わっていく中で、経験則だけに頼っていると判断を誤る可能性があると感じています。従来の経験や勘だけでなく、昼間・夜間の人口動態やエリアの特性などの客観的なデータを元に商圏のポテンシャルを図れるようになったことは成果のひとつです。


【攻めの出店計画にも一役】

MarketAnalyzerの導入により、自分たちで出店余地を探り、そこにあるショッピングモールへの出店交渉を持ちかけるといった、今まではやってこなかった出店戦略の立て方にも着手しています。
例えば、関東で自分たちの顧客像にマッチした人口が多く、かつ自社店舗の商圏が被っていないエリアなどもすぐに地図上にプロットできるので、自社にとってスキマになっている商圏がひと目で分かります。

地図上で確認できることで、今まで気づかなかった面も見えるようになりました。例えば、出店候補物件の情報を文字で見ているだけでは、川や道路といった商圏の分断要因までは見えません。あるエリアに出店を検討した時の話ですが、実は川を跨いだすぐ近くに別の自社店舗がある状況でした。今までだと「カニバリを起こすからやめよう」という判断になったのですが、GISを使って地図上に既存店の顧客をプロットすると、川から向こうには顧客分布は見られませんでした。橋が少ないのでわざわざ川を渡って買い物をする人も少なく、距離は近くても商圏は別だったわけです。結果、出店検討の余地はあるということになりました。こういうのって事情が分かれば実に当たり前の事ですが、GISで分析してみないと見落としがちだと思います。


【自社店舗のカニバリゼーションへの対応】

MarketAnalyzerは、自社店舗の商圏重複を確認することにも活用しています。当社は創業46年を迎え140の店舗を運営していますが、100店舗を超えたのは6、7年前。15年前までは40店舗くらいでした。サーフィンやスノーボードのブームもあってここ最近で急激に店舗が増えたものの、人口の減少が続く今日でドミナント出店というのもリスクがあります。自社店舗の商圏重複を細かくみて、カニバリゼーションを防いでいく必要性がでてきました。出店依頼をいただくデベロッパーより提供される商圏分析だけでは、自社の競合状況までは把握できません。MarketAnalyzerに自社の店舗位置や顧客情報などを入れて地図上にプロットすると、自社店舗の商圏被りなども見えてきます。
新たな出店候補地を選ぶ際にも、近隣の自社店舗の顧客分布を見ながら商圏をチェックし、影響の少ない土地を選ぶ必要があります。そういった分析を客観的なデータに基づいて判断できるようになったので、仕事が進めやすくなったと思います。

システムを使いこなせるか、
それを経営判断に活かせるか。
導入後のハードルも、徐々に超えつつ。


導入後のハードルは、まず機能や操作に慣れることがありました。ここは、マニュアルだけでなく電話やメールによるサポート対応や営業担当の方のフォローがあったので、分からない部分はすぐに解決できクリアするのに時間はかからなかったです。

あとは、MarketAnalyzerで分析した結果を出店判断に活かせるかというところ。それまでは経験や勘、あと出店を検討している商業施設の経済条件が出店判断の主な指標だったため、自社で分析した商圏データに基づいて出店を判断をするということにあまり慣れていない部分がありました。MarketAnalyzerの分析レポートは、文字や表だけでなく地図やグラフなどビジュアルで分かりやすく表現できるので、経営会議でも見せやすくて重宝しています。社内に提案するならば、特に分かりやすさは大事。文字ではなく必ず地図に落とし込んで視覚的に表現することを徹底しています。

いかに予実の差を縮められるか。
既存店のデータや統計データを活用し
売上に相関する要因を探しているところ。


【今後の展望について】

MarketAnalyzer導入の最終目的は、正確な売上予測をたてられるようになること。今は、出店する商業施設の想定年商から店舗の売上のパターンはいくつか予測できるのですが、どのパターンがもっとも実績に近くなるのかを知るための確かな根拠がない状態。店舗面積等の物理的条件、その店舗の商圏データ、出店する商業施設の経済条件など、様々な項目と売上との相関関係をMarketAnalyzerの相関スコアリング機能を使って見ていき、どの項目が売上に強く影響するのかを分析していきたいと思っています。今は自社の全店舗の実績や商圏データをGISで掛け合わせながら、試行錯誤を繰り返してしているところです。

商圏の人口構成や年齢構成も昼間や夜間、将来でそれぞれ把握できますし、所得データや家族構成なども幅広く入手できる時代です。今後の展望として、GISを活用しながらそれらのデータと売上との相関関係を正しく把握できるようにし、より客観的で綿密な売上予測につなげていきたいと思っています。

(取材日:2019年10月)

ムラサキスポーツ様の運営するショップ

ショッピングセンターを中心に全国140拠点におよぶ店舗を展開されているムラサキスポーツ様。運営するスポーツショップでは、サーフィン・ボディーボード・スノーボード・スケートボード・BMXなどアクションスポーツの商品が豊富にラインナップされています。また店舗では、サーフィンスクールなどのイベントも開催されています。

今回、導入頂いたシステム

GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™ Cloud」

高度で探索的な商圏分析が可能なMarketAnalyzer™のクラウド版[詳しくはコチラ

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