導入企業インタビュー

キリンビール株式会社

本社所在地
東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス
事業概要
酒類の製造、営業、販売
公式サイト
https://www.kirin.co.jp/

2019年夏、キリンビール株式会社は技研商事インターナショナルが提供する商圏分析GIS(地図情報システム)Market Analyzer™とMarketing Intelligence Platformをベースに開発したKIRIN Market Discoveryを社内リリース。開発を主導した、同社マーケティング本部・営業開発室・主務・平田憲太朗氏が語るその経緯と狙いとは――。
※本記事は、オフィスライト・ライター小林麻理氏の執筆によるものです。
事例紹介パンフレットはこちら(PDF)

平田様のお仕事内容について

キリンビール株式会社(以下、キリンビール)でマーケティング本部・営業開発室とブランド戦略部・キリン食生活文化研究所で主務を務める平田憲太朗氏。営業担当として広域流通企業のリテールサポート業務を経験するほか、データ分析担当などを経て現職。「お客様のことを一番よく知っている会社でありたい」という想いとともに、商圏分析システムの導入と社内活用を主導する。

自身の営業活動に裏付けられた
「商圏分析システムは必要」という感覚

キリンビールにはもともと、約15年前に開発した商圏分析システムは存在していた。その主な機能は、国勢調査に基づいたデータを地図上に表示し紙で出力するというもの。

「システム改修の柔軟性に欠き、改善することもできず、次第に使われなくなっていました」。新・商圏分析システムの導入検討・開発を主導した平田憲太朗氏はこのように旧システムの状況を振り返る。平田氏は2018年4月、スーパーやドラッグストアといった家庭用チャネルを担当する営業に対して、そうした取引先の課題解決につながる提案やツールを開発する業務につき、それとともにシステムリプレース検討に着手することになる。
当時、商圏分析データ自体の存在価値が疑われかねない状況だったが、平田氏は、リテールサポート業務の一環として、店舗の酒類カテゴリーマネジメント(店舗にとって最適な酒類カテゴリーの品揃えを考案する業務)にも携わってきた自身の経験から「商圏分析データは取引先にとっても必ずプラスになるものだ」という感覚は持っていたという。

「たとえば、(自店POSデータをもたない)新店の品揃えを考える際に店舗の周囲にどのような人が住んでいるのかが把握できるデータは、大変貴重なものです」と説明する。同様に、開店後には得られるPOSデータからは商品の販売情報しかわからないため、来店していない潜在顧客の情報もつかめる商圏分析データは頼りになる存在ということだ。
一方で、当時のデータでは自身が納得するだけの仮説は立てられないことも、平田氏は感じていたと明かす。「乏しいデータとともに店舗でお客様を見ながら『こうした品ぞろえが良いのではないか』と仮説を立てるけども、本当にそれが最適なのか、確信が持てずにモヤモヤした気持ちになることはありました」(平田氏)。それから時代は進み、入手できるデータは大幅に増えた。あとはそれをどう活用するかという時代に、新システムの検討に着手したということである。

充実した既存機能が
作りこみ過多の懸念を払しょく

そして2018年5月に始まった商圏分析システムリプレースの検討は、複数のGISツールベンダーのパンフレットを見ることからスタートした。平田氏が数社面談するなかで、光ったのが既存のMarketAnalyzer™Marketing Intelligence Platformをベースに、キリンビール向けにカスタマイズ開発を行うという技研商事インターナショナル(以下、技研商事)の提案だった。

MarketAnalyzer™は、「人口」「年収」「商圏特性」「顧客プロファイル」など、(従来型の単一の国勢調査データではなく)様々なデータを組み合わせて、高度な商圏分析を行うことができるツールである。そして、Marketing Intelligence Platformは、MarketAnalyzer™の分析情報を見やすく、シンプルな形で可視化・共有できるクラウドサービスだ。

MarketAnalyzer×Marketing Intelligence Platformだけでも、商圏分析システムとして求めている最低限の機能は満たしていると感じました。旧システムが自社で作りこみすぎた結果、柔軟性を欠くシステムになってしまった反省からも、ここまで既存ベースの機能がそろっているのは、魅力でした」と平田氏は評価する。キリンビールでは高度な分析を行う分析担当と現場営業担当がチームで仕事をするスタイル。分析担当は、MarketAnalyzer™の機能を主に利用し、営業担当はMarketing Intelligence Platformの機能を日々の営業活動に活かすという提案は、平田氏が想定していた使い方にマッチした。

マイナスをゼロでなくプラスへ
提案型の姿勢が決め手に

ただし、こうした商圏分析GISツールの基本機能を同様に備えている他社ツールも多い。そのなかで、平田氏が技研商事を最終的に選んだ理由が、同社が顧客目線で行う提案の姿勢だったという。「基本機能だけでも、少なくともマイナスはゼロにできそうだという感触はあるなかで、そこからどうプラスにもっていくか。それを技研商事さんが一緒に考えてくれたことが大きかったです」と高く評価する。

新・システム導入には投資が必要で、当時、その投資価値に見合った使い方ができることを(感覚ではなく)しっかりと説明しなければいけない状況でもあった。「商圏分析システムをどのように自社の営業活動に活かすかをこちらも模索しているのに対し、『言われた機能は作ります』という受け身の姿勢の相手とパートナーシップを組むのは難しいと感じていました」とも明かす。

こうして、採用を決めた技研商事とともに、基本の商圏分析を自社の営業までにつなげるための帳票などを独自開発。できあがったシステムがKIRIN Market Discoveryである。生活者の隠れた需要やそれに対する販売機会を発見していきたい、という想いがこの名前に込められている。

レポート作成時間を不要にし
営業活動の「質」を上げる

KIRIN Market Discoveryは2019年7月末にリリース。それから1カ月、現場の営業からはGoogle Mapを利用した地図が見やすいといった声をもらうとともに、取引先向けのレポート作成の手間が省けることなどが評価されているという。

もともと「新たなデータ分析ツールを導入することによって営業活動時間を減らさない」というのは、システム導入時の命題でもあった。Marketing Intelligence Platformの既存機能においても、分析結果を取引先と共有しやすいカタチで表示、そのまま出力できるが、その点をさらにKIRIN Market Discoveryではブラッシュアップした。レポート作成時間を削減すると同時に、営業活動の質を上げるという狙いを実現するためである。

さらなる活用を目指し
期待するパートナーシップ

現在、全国の統括部を回りながらKIRIN Market Discovery活用方法の周知活動に奔走中の平田氏。「商圏分析システムはあくまで道具。目指しているのは、システムを通じて最終的に商品を取るお客様を知り、お取引先の課題を共に解決するとともに、売上向上につなげることです。私たちは、『お客様のことを一番よく知っている会社』でありたいのです。」と、商圏分析システムに対する考え方と会社の目指す姿を説明する。こうした考えを担当者とも共有し、分析結果を最適な営業活動につなげられるよう、もう一方踏み込んだフォロー活動も検討中だ。同時に、多様化・高度化するデータも取り込むことも視野にいれている。

そして平田氏は、現在の心境と技研商事に対する期待を次のように語った。「パンフレットを見たのが昨年5月、よくここまでこられたなという気持ちでいます。着手以来、技研商事さんとは、お互いの意見を率直に話しながら、妥協せずにシステムを作り上げることができました。そうして築いたパートナーシップのもと、今後も高め合う関係であり続けたいと思っています」。

キリンビール様専用のオリジナル分析レポートテンプレート

全体サマリシート

店舗の商圏内の人口動態などを分析

顧客クラスター特性シート

商圏内の生活者のライフスタイルと消費特性を分析

今回、導入頂いたシステム

GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™ シリーズ」

全てのラインナップのベースとなるエリアマーケティングGISのスタンダードモデル。ハフモデル分析を標準搭載。[詳しくはコチラ]

GIS(地図情報システム)「Marketing Intelligence Platform」

MarketAnalyzer™での分析結果や商圏データを、社内や関係者内にて簡易に共有・閲覧を行うWEB GIS。[詳しくはコチラ]

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