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インストアプロモーションとは?
具体的な手法や例をご紹介
2025/02/27
2025年2月27日号(Vol.132)
はじめに
インストアプロモーションとは、実店舗内で行う販売促進活動のことです。顧客の購買意欲を刺激し、売上向上や顧客満足度の向上を図ることを目的としています。
チラシやPOP広告などの視覚的な訴求、試食やデモンストレーションなどの体験型プロモーション、イベントやキャンペーンなど、さまざまな手法が用いられます。
インストアプロモーションは、顧客との直接的なコミュニケーションを通じて、商品の魅力や価値を伝え、購買行動を促すことができます。
また、顧客の反応をリアルタイムに把握することで、プロモーションの効果測定や改善にも役立ちます。
本記事では、インストアプロモーションの基本から具体的な手法や成功ポイントまで踏み込んで解説します。
インストアプロモーションの基本とは?
インストアプロモーションの基本は、顧客体験を通じて商品・サービスの魅力を理解してもらうことです。
顧客は店舗を訪れることで、商品を実際に手に取って試したり、スタッフから説明を受けたりすることができます。この体験を通じて、購買意欲を高めることが可能です。
インストアプロモーションとインストアマーケティングとの混同には注意が必要です。
インストアマーケティングは店舗全体やブランドイメージの向上を目指すのに対し、インストアプロモーションは特定の商品の認知度や売上向上を直接的に目的としています。
単に商品を販売するだけでなく、顧客とのコミュニケーションを通じてファン化を促すという目的も持ちます。
店舗スタッフとの会話や、イベントへの参加を通じて、顧客はブランドや商品に対する愛着を深めることができます。
インストアプロモーションは、セールスプロモーションという広義な意味の中で、リアル店舗ならではの強みを活かした効果的な販促手法です。
例としては、小売業のスーパーマーケットでの試食販売、家電量販店でのデモンストレーション、アパレル店でのイベントなどが挙げられます。
効果的にインストアプロモーションを実施するためには、事前にターゲット顧客や販売目標を明確にすることが重要です。また、店舗周辺の商圏構造や施策実施前後の効果測定も行うことで、より効果的なインストアプロモーションを展開できます。
インストアプロモーションの種類とメリット
インストアプロモーション大別すると以下の2種類に分類できます。
• 価格重視の手法:バンドル販売、増量パック、割引販売など
• 価格に頼らない手法:実演販売、推奨販売、デジタルサイネージ、プレミアム(景品べた付け)など
そのメリットとして挙げられるのは以下の3点です。
• 衝動買い、ついで買いを促す
• 店舗と顧客のコミュニケーションを通じてファン化を促す
• 価格以外の魅力で差別化
ここからは、インストアプロモーションの2つの種類と、メリットを具体的に解説していきます。
価格重視のインストアプロモーション手法
インストアプロモーションの中でも、価格重視のアプローチは顧客の購買意欲を掻き立てる効果的な手法として注目されています。
代表的な例として、バンドル販売や増量パックは、お得感を演出することで売上アップに貢献します。
バンドル販売の効果的な活用法
バンドル販売とは、複数の商品やサービスを1つのパッケージとして販売する方法です。近年、価格競争が激化する中で、付加価値を高める手段として注目されています。
バンドル販売のメリットは、顧客にとってはお得な価格で購入でき、必要なものをまとめて購入できる、商品やサービスを組み合わせることで新たな価値を発見できるという点です。事業者にとっては、商品やサービスの売上げアップ、利益率の向上、在庫処分ができます。
バンドル販売を効果的に活用するためには、顧客のニーズを把握し、商品やサービスの組み合わせを検討し、価格設定を適切に行い、プロモーションを効果的に行うことが重要です。
バンドル販売の例として、ファーストフード店でのセットメニュー、通信会社のセットプラン、旅行会社のツアーパッケージなどが挙げられます。効果的に活用することで、顧客満足度の向上や収益の拡大につなげることができます。
増量パックの魅力的な提供方法
増量パックは顧客の購買意欲を掻き立て、来店促進や商品の購入を促すインストアプロモーション手法の一つです。
その魅力的な提供方法としては、数量を増やす、限定販売にする、価格差を明確にする、付加価値をつける、ターゲット層に合わせた内容にするなどが挙げられます。
これによってまとめ買いや買いだめも期待できるでしょう。お得感や満足度を高めることができるため、顧客にとって魅力的なプロモーション手法です。
しかし、単に数量を増やすだけでは効果が薄れてしまう可能性があります。上記のようなポイントを意識することで、より効果的な増量パックを提供することができます。
価格に頼らないインストアプロモーション手法
インストアプロモーションでは、単なる値引きではなく、実演販売・推奨販売、デジタルサイネージを活用した情報発信、ニーズに合致した景品を付与するプレミアムなど、アイデア次第で様々な施策が可能です。次に価格に頼らないインストアプロモーション手法をご紹介します。
実演販売・推奨販売(デモンストレーション)の効果
実演販売・推奨販売(デモンストレーション)とは、商品の魅力を直接お客様に伝え、その場で商品の価値を体験してもらう手法です。デモンストレーションの効果的な活用によって、お客様の購買意欲を刺激し、購買行動へと導くことができます。

※実演販売のイメージ
• 商品の魅力が直接伝わる
お客様は実際に商品を手に取って体験することで、商品の機能や使い勝手、質感などを理解しやすくなります。
• お客様の購買意欲を高める
デモンストレーションでは、商品の魅力を分かりやすく説明することで、お客様の購買意欲を高めることができます。
• 信頼感を構築する
デモンストレーションを行うことで、お客様と店員との間に信頼関係を築くことができます。
• 専門知識を伝えることができる
デモンストレーションでは、商品の専門知識を伝えることもできます。
デモンストレーションを実施する際は、以下の点に注意する必要があります。
• 商品の魅力をわかりやすく伝える
デモンストレーションは、商品の魅力をわかりやすく伝えることが大切です。
難しい専門用語は避け、お客様が理解しやすい言葉で説明しましょう。
• お客様のニーズに合わせた説明を行う
デモンストレーションでは、お客様のニーズに合わせた説明を行うことが大切です。
お客様がどのような商品を求めているのかを理解し、そのニーズに合わせた説明を行いましょう。
• 商品の安全性に配慮する
デモンストレーションでは、商品の安全性に配慮することが大切です。
特に、刃物や火気などを使用する商品の場合には、安全に配慮したデモンストレーションを行いましょう。
デジタルサイネージの活用方法
店頭で消費者に直接商品をアピールする媒体として、単なるポスターやPOP広告以外に、デジタルサイネージが注目を集めています。
これはインストアプロモーションにおいて、顧客とのコミュニケーションを強化し、商品の魅力を効果的に宣伝できる有力なツールです。

※デジタルサイネージの例
高解像度の画面で動画や画像を表示できるため、商品の詳細情報を鮮明に映し出すことができます。
商品のデザインや機能、使用方法などを映像で紹介することで、顧客はより深く商品を理解し、購買意欲を高めることができます。
タッチパネル機能を搭載したデジタルサイネージでは、顧客が画面に触れて操作することで、商品情報を閲覧したり、ゲームやクイズに参加したりすることができます。インタラクティブなコンテンツは、顧客の興味を引き、購買体験をより楽しくすることができます。
デジタルサイネージは、リアルタイムで情報をディスプレイに配信することができます。例えば、最新のキャンペーン情報や、在庫状況、さらには天気予報や交通情報なども表示することで、顧客に最新の情報を提供することができます。
動画やアニメーションを用いて、動的な広告を表示することができます。静止画よりも視覚的に訴求力が強く、顧客の注目を集めることができます。
デジタルサイネージは、顧客の属性や行動履歴に応じて広告を表示することができます。例えば、特定の商品に興味を示した顧客に、その商品に関する情報を配信することで、購買率を高めることができます。
デジタルサイネージは、顧客とのコミュニケーションを強化し、商品情報を効果的に伝えるのに適したツールです。
プレミアム(景品べた付け)の例
価格に頼らないインストアプロモーション手法の一つに、「プレミアム(景品べた付け)」があります。
これは、商品を購入した顧客に景品をプレゼントすることで、購買意欲を高める手法です。景品の内容は、商品との関連性があるものや、顧客が興味を持ちそうなものなど、さまざまなパターンがあります。
プレミアムは、顧客に購入のメリットを感じてもらうだけでなく、ブランドイメージの向上や顧客とのコミュニケーションツールとしても効果的です。
例えば、人気キャラクターとのコラボレーション商品や、限定特典がついた商品などは、顧客の購買意欲を掻き立て、話題性も高めることができます。
実際に、プレミアムを導入して成功した企業の例があります。
ある食品メーカーは、自社のカップ麺を購入した人に、人気キャラクターのフィギュアをプレゼントするキャンペーンを実施しました。このキャンペーンは、インフルエンサーによってSNS上で拡散され、予想以上に大きな反響を呼び、売上を大幅に伸ばすことに成功しました。
このように、プレミアムはうまく活用することで、顧客の購買意欲を高め、売上アップを実現する効果的なインストアプロモーション手法と言えます。ただし、景品の選び方やキャンペーンの企画など、細かな点に注意することが重要です。
インストアプロモーションのメリット
インストアプロモーションは、リテール業界のリアル店舗での新たな可能性として注目されています。
そのメリットとして挙げられるのは「衝動買い、ついで買いを促す」ことと、「店舗と顧客のコミュニケーションを通じてファン化を促す」ことと言えるでしょう。
「衝動買い」「ついで買い」を促す方法
インストアプロモーションの中でも、顧客の衝動買い、ついで買いを促す方法は、売上拡大に大きな効果をもたらします。
そのための方法として、以下の4つのポイントが挙げられます。
• 魅力的な商品陳列
アイキャッチとなる商品を目立つ場所に配置したり、関連商品を一緒に陳列したり、
季節感やトレンドを取り入れたりすることで、顧客の購買意欲を刺激します。
• 効果的なPOP広告
わかりやすく簡潔なメッセージを記載したり、視覚的に訴えるデザインにしたり、
商品のメリットやセール情報などを記載したりすることで顧客の購買意欲を高めます。
• サンプリングや試飲・試食
顧客に実際に商品を体験してもらうことで、購買意欲を高めることができます。
顧客の興味関心が高い商品を選び、スタッフが積極的に声掛けを行い、商品の特徴や使い方などを説明することが重要です。
• 限定商品や特別価格
限定商品や特別価格の設定は、顧客にとって特別な価値を提供することで、購買意欲を高めます。
数量限定や期間限定の商品を設定したり、特別価格を設定したり、限定特典などを付与したりすることが効果的です。
店舗と顧客のコミュニケーションを通じてファン化を促す
インストアプロモーションは、単に商品を販売するだけでなく、顧客とのコミュニケーションを通じて、ファン化を促すという重要な役割を担っています。
イベントや試食会、実演販売などのプロモーションを通じて、顧客と店舗スタッフが直接交流することで、商品の魅力を伝え、顧客との関係やブランドロイヤルティを強化することができます。
また、顧客の意見を聞いたりニーズを収集したりすることもできるでしょう。
インストアプロモーション実施前に意識するべきこと
インストアプロモーションを実施する店舗の選定
インストアプロモーションを成功させるには、実施する店舗の選定が重要です。以下に、店舗を選定する際のポイントをまとめました。
• 立地
立地が悪いと顧客が来店しにくくなります。人通りの多い場所や交通の便が良い場所にある店舗を選びましょう。
• 規模
規模が小さすぎると商品の陳列スペースが不足し、プロモーションの効果が薄れてしまいます。
ある程度の広さがある店舗を選びましょう。
• 顧客層
顧客層が明確でない場合、プロモーションの効果が薄れてしまいます。ターゲット顧客が明確な店舗を選びましょう。
• 競合店の数
競合店が多いと顧客の獲得が難しくなります。競合が少ない店舗を選びましょう。
• プロモーションの目的
プロモーションの目的によって、最適な店舗は異なります。
例えば、認知度を高めたい場合は知名度の高い店舗、売上を伸ばしたい場合は販売実績の高い店舗を選ぶと良いでしょう。
店舗選定は、インストアプロモーションの成否を左右します。上記のようなポイントを踏まえ、慎重に店舗を選択しましょう。
店舗周辺の商圏構造の確認
インストアプロモーションの実施にあたっては、店舗周辺の商圏構造を把握することが重要です。商圏構造とは、店舗の周辺に存在する顧客層やその購買動向に関する情報を指します。
商圏構造を確認することで、以下の点が明らかになります。
• どのエリアからどのような顧客が来訪しているのか
• 顧客の年齢層や性別、職業などの属性
• 顧客が求める商品やサービス
• 競合店舗との位置関係や顧客の流動性
これらの情報を分析することで、より効果的なインストアプロモーションを企画することが可能となります。
商圏構造の分析方法は、以下のものが挙げられます。
• 地域住民調査
自治体や民間調査機関が行っている地域住民調査を活用し、人口構成や世帯収入などの情報を把握することができます。
• 商圏地図
店舗周辺に存在する商業施設や交通機関などを記した商圏地図を作成することで、競合店舗との位置関係や顧客の流動性を分析することができます。
• 顧客アンケート調査
店舗を訪れた顧客に対してアンケート調査を行い、顧客の属性や購買動向に関する情報を直接収集することができます。
インストアプロモーションを成功させるためには、ターゲットとなる顧客を明確にした上で、その顧客に合わせた施策を展開することが重要となります。そのためには、店舗周辺の商圏構造を把握した上で、顧客ニーズに沿ったインストアプロモーションを企画する必要があると言えるでしょう。
施策実施前後の効果測定
施策実施前後の効果測定は、インストアプロモーションの成功を判断し、改善点を検討するために重要です。
効果測定項目としては、売上、客数、顧客単価、認知度、ロイヤルティなどが挙げられます。効果測定を行う際には、プロモーション開始前と終了後のデータを比較し、他のマーケティング施策の影響も考慮することが重要です。
効果測定結果は、今後のインストアプロモーションの企画や運営に活かすことができ、店舗の売上や利益向上に貢献します。
まとめ
インストアプロモーションとは、リアル店舗において積極的に顧客に働きかけ、購買行動を促すためのマーケティング手法です。
単に商品を陳列するだけでなく、顧客の購買意欲をかき立てるような仕掛けや演出を行い、売り上げ拡大や顧客との関係構築を図ります。
インストアプロモーションを成功させるためには、戦略的な企画と実行が重要です。ターゲットとなる顧客層や、店舗の立地、販売する商品の特徴などを考慮し、効果的な手法を選択することが求められます。
また、プロモーション実施前後の効果測定を行うことで、改善点を見出し、さらなる成果につなげていくことが大切です。
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監修者プロフィール市川 史祥技研商事インターナショナル株式会社 執行役員 マーケティング部 部長 シニアコンサルタント |
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| 医療経営士/介護福祉経営士 流通経済大学客員講師/共栄大学客員講師 一般社団法人LBMA Japan 理事 1972年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。不動産業、出版社を経て2002年より技研商事インターナショナルに所属。 小売・飲食・メーカー・サービス業などのクライアントへGIS(地図情報システム)の運用支援・エリアマーケティング支援を行っている。わかりやすいセミナーが定評。年間講演実績90回以上。 |
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