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エリアマーケティングラボ
チラシの集客効果は?|効果を高める方法や効果測定の方法を解説
2025/03/12
2025年3月13日号(Vol.134)
はじめに
ポスティングや新聞折り込み等の手段・媒体で配布するチラシは、地域密着型のビジネスや新規顧客獲得に効果的なツールです。 狙った地域に情報を届け、ターゲットに合わせた宣伝が可能で、何度も読み返してもらえるという利点もあります。
しかし、効果的な集客には適切な分析と測定が欠かせません。
チラシを配布してどれだけの効果があったのかをきちんと測定することで、より効果的なチラシを作成したり、配布方法や配布エリアを改善したりすることができます。
本記事では、チラシの集客効果や効果を発揮しやすくするポイントについて詳細に解説していきます。

チラシ集客の効果とメリット
チラシは、狙った地域に情報を発信し、ターゲットに無駄なく宣伝できる効果的な集客方法です。紙媒体のため、何度も読み返すことができ、顧客の記憶に残りやすいという利点もあります。期間を短くして集客を成功させる方法としても有効です。
チラシ集客のメリットと効果として以下の3点があります。
■ 狙った地域に情報を発信することができる。
TVCM等と違って、チラシは狙った地域に情報を発信することができるため、特に店舗集客やローカルビジネスを展開している業態に有効です。配布エリアの単位は、ポスティングであれば町丁目、折込チラシであれば新聞販売店の折込配布エリア(≒町丁目や大字単位)で細かく選択することができます。情報を届けたいターゲットを多く含むエリアに絞って配布することができます。
■ ターゲットに向けた宣伝が可能
チラシ配布によって届けたい情報に反応しそうなターゲットがどこにいるのかを、GIS(地理情報システム)等によって知ることができます。
若者向けのキャンペーンであれば町丁目ごとの年齢別人口データから、例えば20代が多く住むエリアはどこか、また富裕度が高い人向けの商品を訴求したい場合は年収1500万円以上の世帯はどこにいるのか?など、自社のターゲットに合わせたデータを選択し、地図上に可視化することができます。
GISによるエリアマーケティングと合わせてターゲットに向けた宣伝が可能となります。

■ 何度も読み返すことができる
チラシの大きなメリットの一つは、何度でも読み返すことができる点です。テレビCMやラジオCMは、放送された瞬間を逃すと二度と見ることができません。
しかし、チラシは手元に置いておくことができるため、気になった情報を何度でも見返すことができます。
これは、特に複雑な情報や、購入前にじっくり検討したい商品・サービスを宣伝するチラシにとって大きな強みとなります。顧客は、チラシの情報をもとに比較検討したり、家族や友人と相談したりすることができます。
また、後から読み返して新しい発見をすることもあるでしょう。
さらに、チラシは保存しておくこともできます。これは、季節限定商品やイベント情報などを宣伝するチラシにとって有効です。顧客は、必要な時にチラシを取り出して確認することができ、再来店やリピート購入につながる可能性が高まります。
チラシ配布の効果を高める5つの要素
配布エリアを絞り込む
チラシの効果を高めるためには、配布エリアを絞り込むことが重要です。むやみに広くチラシを撒いても、ターゲットに届かなければ効果は期待できません。
<絞り込みのポイント>
• 商圏分析:商圏分析とは、顧客の住居や行動範囲などを分析して、事業にとって最適なエリアを特定する手法。GIS(地理情報システム)を活用することで、より精度の高い分析が可能となる。
• ターゲットエリア:ターゲットエリアとは、チラシを配布する対象となるエリアのこと。商圏分析の結果をもとに、ターゲットが集中しているエリアを絞り込む。
<配布エリアの絞り込みによるメリット>
• コスト削減:配布エリアを絞り込むことで、チラシの印刷費用や配布人件費を削減できる。
• 効果向上:ターゲットに絞ってチラシを配布することで、反響率を向上させることができる。
• 効率化:配布エリアを明確にすることで、配布方法や配布時期の検討を効率化できる。
配布コンテンツを適切に設定する
ターゲット層のニーズや興味関心を考慮し、共感を得られるような内容にすることが重要です。魅力的なタイトルと画像を使用し、情報を分かりやすく簡潔にまとめるようにしましょう。行動喚起を促すことも重要です。例えば、問い合わせ先やウェブサイトのURLを記載するなど、行動を促す工夫をしましょう。チラシにQRコードを印刷し、オフラインからオンラインに誘導したり、店舗に持参してもらうことによる特典を訴求したり、様々な工夫が必要です。
配布手法を決定する(ポスティングと新聞折込広告の使い分け)
ここでは、ポスティングと新聞折込広告の使い分けについて解説します。それぞれの長所と短所を理解した上で、キャンペーンごとに適切に選択したり、併用したりすることが必要です。
<ポスティング>
ポスティングは、住宅やオフィスなどの郵便ポストにチラシを直接投函する方法です。ターゲットエリアに絞って配布できるため、効率的に情報を届けることができます。
一方で、マンションやアパートなどの集合住宅では、チラシ投函を禁止されている場合もあるので、実際に配布できる枚数など事前に確認しておくことも重要です。
<新聞折込広告>
新聞折込広告は、新聞と一緒にチラシを配布する方法です。新聞の読者層に情報を届けることができるため、幅広い年齢層へのアプローチが可能です。
ポスティングよりも比較的、信頼性の高い情報源として認識されやすいというメリットがあります。
一方で、特に若者世代の新聞購読率が低下していると言われているため、自社のターゲットが中高年齢層の場合有効となることが多いようです。
デジタル広告を併用する
チラシ配布の効果を最大化するために、オンライン広告との併用も効果的です。オンライン広告でより広い範囲に情報を届けておき、認知を得た上でチラシに触れてもらうことができれば、チラシの効果も向上します。
近年ではジオターゲティング広告というインターネット広告手法も登場し、インターネット広告の配信エリアを町丁目や郵便番号単位で細かく指定できるようになっています。
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配布成果を計測する(GIS:地理情報システムの有効活用)
チラシは、ただ配布するだけではその効果は不明瞭です。効果的なチラシにするためには、配布成果を計測し、分析することが重要です。チラシの効果測定には、様々な方法があります。その中でも、GIS(地理情報システム)は、配布エリアや反響率を可視化できるため、効果的な分析手法として注目されています。
実際の事例を本記事最後にご紹介します。
【Pick UP!】最長3か月間無料で使えるGIS(地理情報システム)
GISとは地図の上に町丁目などの小地域単位で様々な人口統計データを搭載した分析ツールです。自社の顧客データをマッピングし、人口統計と重ね合わせることで、現状どのエリアが強いのか/弱いのかを可視化・分析することができます。
チラシの配布エリアを決定したり、その効果測定に利用されています。
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チラシの配布エリア選定の仕方
チラシの集客効果をたかめ効果測定をしっかりと行うためには、ターゲットエリアを把握することが重要です。ターゲットエリアを把握することで、効果的な配布エリアを策定することができます。ここからはGIS(地理情報システム)を活用した方法や事例について以下の3点を解説していきます。
商圏範囲と商圏の理解
GIS(地理情報システム)を利用することで、顧客の住所や来店履歴などのデータを地図上に重ね合わせ、商圏を可視化することができます。
下の図は顧客分布マップのイメージです。Excelなどの顧客住所リストがあれば地図上にその分布を表現することができます。地図の中央にある青いピンが店舗です。顧客分布、つまり商圏範囲は同心円上に広がらず、地形や交通網によって異なっていることがわかるでしょう。

顧客をマッピングした後は、実商圏を定義していきます。図2の青い円は半径1.5km圏を示しています。これは全顧客3,500人の70%をカバーする範囲という意味です。この1.5km圏が、店舗にとって重要な商圏エリア、実商圏となります。

さらに定義した実商圏全体をデータで理解していきます。
GISには指定した商圏内の様々なデータをレポーティング機能が備わっています。
下の図3は商圏分析レポートのイメージです。性・年代別の人口ピラミッドを見ると商圏全体としてニューファミリー構造があり、更に家族構成をクロスすると若者単身層も多く、全体的に富裕度が高いなど、様々なことがわかります。

【Pick UP!】 生成AIによる商圏理解
商圏調査レポートから商圏を理解するには、ある程度データについての理解や読み解き方のノウハウ・専門性が必要になります。最近ではデータをひとつひとつ見なくても、生成AIによって文章で説明してくれるようになっています。
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ターゲットエリアを決めるデータベース
ターゲットエリアを明確にすることで、チラシの効果を最大限に発揮することができます。ターゲットエリアを決めるデータベースは、大きく以下の4種類があります。
■ デモグラフィックデータ
年齢、性別、家族構成など、最も基本的なデータです。公的な統計である国勢調査や住民基本台帳などがあります。

■ ソシオグラフィックデータ
年収、職業、学歴など、社会的な属性項目です。公的な統計を組み合わせた推計データが用意されています。

■ エリアセグメンテーションデータ
先のデモグラフィックデータやソシオグラフィックデータを用い、統計解析手法で地域(町丁目)をグルーピングしたデータベースです。
◯◯町◯◯丁目は「AI:都心のセレブ」というように分析に不慣れでも地域の居住者特性がすぐに理解できるもので、配布エリア選定にもよく利用されています。

■ サイコグラフィックデータ
生活意識、趣味趣向、ライフスタイルや購買傾向、接触メディアといった心理的な観点を小地域単位にデータベース化したものです。その他のデータと重ね合わせてよりターゲットを明確にします。 これらのデータベースを活用することで、ターゲットエリアを正確に把握し、効率的なチラシ配布を行うことができます。

【Pick UP!】 もっと詳しく。エリアをセグメントするデータベース
配布エリアを決めたりターゲットがどこにいるのか詳しく分析できる小地域単位のデータは、数万項目に渡ります。メッセージを伝えたいペルソナ像を示す貴社にぴったりのデータがあるはずです。
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配布エリアのランキングづけ
次に、ここまでの解説を踏まえ、GISを用いて具体的な配布エリアを策定するイメージをお示しします。
下の図5はGISでの分析イメージです。自社のターゲット像に合致するデータ項目を複数選択し、それらのデータをスコア化し合成、そのスコアで色塗りをしたものです。緑色の濃いエリアはターゲットが多いエリア、つまり配布エリアとしての優先順位が高いということになります。

【図5:MarketAnalyzer®5「エリア版相関・スコアリング機能分析イメージ】
チラシの効果測定方法(実際の事例あり)
チラシの効果測定の方法はいくつかありますが、その中でも近年多く用いられているのが人流データです。
チラシにQRコードを仕込んだり、来店アンケートを取ったりする手間をかける必要がなく、最近ではセルフ分析ツールも提供されているので上手く活用することができます。
ここではGPSを搭載したセルフ分析ツール「KDDI Location Analyzer」を使った効果測定について解説します。
アミューズメント系店舗での実施例
下の図5は某アミューズメント店舗のポスティング配布エリアを定義した分析例です。町丁目単位で色塗りをしている緑色の濃淡はGPS位置情報を用いた顧客の来訪エリアで、緑が濃いエリアほど来訪者数が多いことを表しています。
人流分析ツールでは任意の店舗と期間を指定するだけで、どこから来店しているのか一目瞭然です。

【図5:来訪者分布とポスティング配布エリア】
そして、図5の黄色い線や黄緑の線は店舗からの徒歩圏を示しています。
ポスティングは町丁目単位で実施するので徒歩10分圏をカバーする青い枠内に配布することとしました。実際の配布プランと配布エリア、部数は以下の通りです(図6)

【図6:ポスティング配布概要】
人流データによる効果測定
人流データは数分に1回、位置情報を取得しているので時系列の分析も可能です。下の図7はポスティング前後の来訪者数の推移です。
チラシの配布が終了した赤い枠で囲った時期は若干ではありますが、来訪者数が増えているので、ポスティングの効果と認められるのではないでしょうか?

【図7:ポスティング前後の店舗来訪者数時系列比較】
さらに細かく見ていきます。以下の図8をご覧ください。
左の地図は配布前と配布後の町丁目単位の来訪者数の変化です。緑色が濃いエリアは配布後に来訪者数が伸びたエリアです。
右の地図はポスティングした時期の前年同時期との比較です。緑色が濃いエリアは昨年よりも来訪者数が多かったということを表します。

【図8:町丁目単位の来訪者数の変化】
まとめ
チラシ配布は地域密着型ビジネスに効果的な集客手法ですが、効果を最大化するには適切なエリア検討と測定が目安です。また、オンライン広告との併用も効果的です。
商圏や配布エリアの定義には、顧客データをGISを用いてマッピングしたり、小地域単位のデータベースの活用が便利です。そしてチラシの効果測定には、QRコードや来店アンケートに加え、人流データを活用する方法があり、セルフ分析ツールを使うことで来店者の分布や推移を可視化できます。
これにより、より精度の高いマーケティング戦略を立てることが可能になります。
<配布前後の来訪エリアの変化>
チラシの効果を測定するためには、配布前後の来訪エリアの変化を分析することも重要です。来訪エリアの変化を分析することで、チラシの効果をより詳細に分析することができます。
<GIS活用>
チラシを使った集客施策の効果を高めるため、GISの活用も注目されています。GISを使用すると、自社で保有している顧客データを地図上に可視化して地域シェアを把握したり、自社店舗のターゲットエリアを策定したうえでチラシの配布をすることができます。

監修者プロフィール市川 史祥技研商事インターナショナル株式会社 執行役員 マーケティング部 部長 シニアコンサルタント |
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| 医療経営士/介護福祉経営士 流通経済大学客員講師/共栄大学客員講師 一般社団法人LBMA Japan 理事 1972年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。不動産業、出版社を経て2002年より技研商事インターナショナルに所属。 小売・飲食・メーカー・サービス業などのクライアントへGIS(地図情報システム)の運用支援・エリアマーケティング支援を行っている。わかりやすいセミナーが定評。年間講演実績90回以上。 |
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