導入企業インタビュー

株式会社ワークマン

株式会社ワークマン

本社所在地
東京都台東区東上野4-8-1
事業概要
フランチャイズシステムで作業服及び作業関連用品を販売する専門店をチェーン展開
公式サイト
https://www.workman.co.jp/

作業服・作業用品とアウトドアウェアのフランチャイズ小売店を全国展開する株式会社ワークマン様。20年も前より商圏分析に当社のGIS(地図情報システム)をご導入いただいております。「必ず繁盛店をつくる」という積極的な出店戦略を支えるノウハウ、それを裏付けるGISのデータ活用法について、関東エリアの店舗開発をご担当される加島様にお話を伺いました。
事例紹介パンフレットはこちら(PDF)

加島様のお仕事内容について教えてください。

ワークマンは、入社後はまず数年店長を経験し、その後もジョブローテーションをしていきます。私も店舗開発職に就く前は、物流、法人営業や店舗運営など幅広く経験しています。様々な職種を経験することで、商品知識はもちろん、生産体制や受注管理、店舗運営や商談の流れなど、一連の業務を把握できます。
店舗開発の仕事は、物件のオーナー様との交渉もあります。店舗や商品の事をまるごと把握できていることがオーナーさんの安心感につながるので、今までの経験のひとつひとつが今の仕事にも活きていると感じています。

コンビニに適した立地が
うちにもいいとは限らない。
過去に学んだ経験から、
自社ならではのルールを導く。



「必ず繁盛する店づくり」を支える出店基準は、どのようにして生まれたのでしょうか?

ワークマンでは、未加工の統計データではなく、既存店の経験や実績を加味した自社基準の数字を見て、商圏ポテンシャルを図っています。今はもうノウハウが構築されているので、いろんな確度からの細かい調査はしていませんが、300店舗くらいの時までは、「売れる立地はどうか」等、綿密に商圏分析をしていました。人口ピラミッドや面する道路の交通量だけでなく、周辺の産業調査から競合店の状況なども細かく調査していましたね。
出店後の売上と立地の相関を分析・蓄積しながら、自社ならではの選定基準ができてきました。交通量なら地方でも最低これくらいは欲しいとか、こういう特徴の立地は全然お客様の目に入らないとか。出店できない場所の特徴を洗い出した「タブー集」を職場に掲示していたこともあります。もちろん、複数の条件を総合的に加味するので、基準に沿わない場所は絶対ダメというわけではないですが、ある程度土地が絞られるので選定のタイムロスが防げます。



御社独自の指標「ワークマン人口」とは?

独自の基準の一つが、「ワークマン人口」。そのエリアに当社のお客様となりえる方がどのくらいいるかの推計です。これまでの経験から設定した顧客像にマッチする人口を、MarketAnalyzerを使って割り出しています。「この立地なら最低でもこれくらいは売れる」という予測は、一般的な属性で切った統計だけでは見えてきません。「ワークマン人口」に落とし込み可視化してこそ分かること。例えば、ワークマン人口率が高いエリアなら、人口が10万人以下でも出店の検討ができます。
ベスト立地の基準は、企業によってまちまち。コンビニのベストがうちにも当てはまるとは限りません。自社独自の目線で土地を見る、これが重要だと思います。

データは時として歪む。
データと人の目の両方で
判断することが大事。



MarketAnalyzer™の活用範囲は?

主に出店用地を図ることと、既存店との商圏重複のチェックに使っています。どちらもしっかりとマニュアル化することで、担当者が誰でも一定のクオリティで仕事ができるようにしています。 出店用地のポテンシャルは、「ワークマン人口」と人口統計、あとは店舗の前面道路の交通量で図っています。これらの指標を、MarketAnalyzerで商圏レポートを出す際の項目として予め設定していれば、エリアを選択するだけで、誰でもすぐにその土地が自社基準に合っているか否かが分かり、用地選びが効率化できています。実際の判断は、GISで数字を見てから、現地に行って自分の目で確かめています。
統計はほぼ実際と合致するのですが、100%正しいとは限らないのも事実。以前、交通量データが3~4千台の道路を実際に調べると1万台くらいあったことがありました。少し前に工事していたようなので、ちょうどデータ取得期間と工事期間が被ってたのかもしれません。

データも大事。現場で走りこむことも大事。MarketAnalyzerの数字を見て、目視と変わらなければそのまま会議に諮り、差異がありそうなら一度自分の目で確かめて総合的に判断します。

安易なスクラップ&ビルドはしない。
可能性のある土地にしか出さないから
どのお店も育てていく価値がある。



順調に店舗を拡大されていますが、安定した出店戦略の秘訣は?

自社で定めた基準から外れないように判断していますし、10万人に1店舗という枠に収まるようGISで分析しているので、基本的に調査時に大丈夫という答えを出した店については、ほぼゴールまで行きついています。
中には、少し人口が薄かったかな?という時もありますが、だからといってすぐ撤退ではなく頑張って繁盛店にします(笑)。最初急成長して安定する店や、最初は振るわなくてもその後伸びて「なんで売れなかったんだろう」っていう店もあります。

会社が上場したときに、社外の方に「ワークマンはスクラップ&ビルドしないんですか?」と言われたこともありますが、そこは慎重に行います。15年後も伸びしろがある土地を選ぶのが私たちの仕事。場所さえ間違っていなければ、安易なスクラップ&ビルドはしないという考え方です。それくらい安定しているのは、根拠のある売上予測に基づいて失敗のない店舗開発をしているからです。

売上予測も、一面だけではなく、ミクロ、マクロ様々な視点から複数の要素を加味したうえで出している数字なので、自信が持てます。うちは数字に基づいた経営を大事にしているので、粗利、回転率、出店基準など、何にしても主たる数字が大事。その裏付けのひとつとして、MarketAnalyzerは役に立っています。

誰もがすぐに分析できる環境で、
業務の効率化だけでなく
部全体のスキルアップへ。



MarketAnalyzer™クラウドへ移行後、業務環境はどのように変わりましたか?


スタンドアローン型の時は本社にあるPCでしか使えなかったので、商圏レポートの作成は関東にいる私が担当していました。クラウド版は誰もが好きな場所で使えるので便利。出張先でも空き時間に商圏分析できるので時短になります。
移行の背景は、全国への出店増による人員不足があります。「明日までに商圏レポートが欲しい」という依頼が九州からくると、私が対応できなければ、九州の担当者が本社に出張してレポートを作成することも。移動費や人件費など業務や費用対効果を考えてシステムを見直すことにしました。
技研商事さんには、マニュアル作りや社内講習会などを手伝ってもらい助かりました。移行決定後は1ヶ月くらいで開通して、今では全員が使えるようになっています。昔はレポート作成を依頼していた担当者が、今や自分でデータを見て出せるように。

候補地の商圏データ等諸々まとめた調査書も、以前は私が兼任して作っていましたが、分業によりほぼ担当者個人で完結できるようになりました。
業務効率が上がるだけでなく、若手も自らデータに触れる機会が多くなるので、ノウハウが均等に広がります。担当者がみんないい物件を上げてくるようになったのは、クラウドのGISですぐにエリア分析できるようになったからだと思います。

今後の展望について

クラウド化で便利になったのですが、動作が少し重たいときがあるので、そこが改善されればこのシステムは最強だと思います(笑)。まあ、場所に縛られずどこでも仕事ができるので、全体で考えると以前よりはだいぶ良くなっているのですが。
今後、MarketAnalyzerのエンジンがバージョンアップするようなので、操作性のアップも期待したいと思います。また、今使っている統計データも時代に合わせて見直していくことも、必要とあらば検討していきたいですね。システムの仕様やデータが更新されると、使い勝手や操作方法もまた変わってくると思うので、引き続き手厚いサポートにも期待しています。
(取材日:2020年1月)

ワークマン様が展開する店舗のご紹介

「WORKMAN」
「WORKMAN Plus+」

働く人へ向けた作業服、作業用品の専門店として全国展開する「WORKMAN」。高性能・高安全性でありながらリーズナブルな商品ラインナップが話題を呼び、2018年からは、一般のお客様に向けた新業態「WORKMAN Plus+」の運営をスタート。実店舗を活用したClick&Collect型のECサイトや、作業服の機能性を活かしたアウトドアウェアの開発など、新たなチャレンジに積極的に取り組んでいらっしゃいます。

今回、導入頂いたシステム

GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™ Cloud」

高度で探索的な商圏分析が可能なMarketAnalyzer™のクラウド版(詳細はこちら

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