導入事例レポート

株式会社マミーマート様
- 本社所在地
- 埼玉県さいたま市北区宮原町 2-44-1
- 事業概要
- 生鮮食料品主体のスーパーマーケットチェーン
- 公式サイト
- https://mami-mart.com/
Enjoy Life!を企業コンセプトに掲げ、埼玉県を中心に1都4県に「マミーマート」「マミープラス」「生鮮市場TOP!」の3業態81店舗(2025年3月現在)を展開する株式会社マミーマート様。
出店用地の売上予測を中心とした商圏分析に、当社GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer® 5」をご活用されています。この度、その活用や効果について、店舗開発部の須金様にお話を伺いました。
(課題)
・過去、売上予測や出店判断は担当者の主観に頼っており、提案の質にばらつきがあった。
・過去の予測は手作業が多く、多くの時間と手間を要していた。
(効果)
・MarketAnalyzer®の導入により作業時間が大幅に短縮、1案件あたり約20分で初期試算が可能に。
・担当者の主観に左右されない共通の評価軸ができ、客観的かつ再現性のある予測を確立できた。

須金様のお仕事内容について
私たちが運営するスーパーマーケットは、標準型の「マミーマート」に加え、生鮮・惣菜に特化した「生鮮市場TOP!」、価格訴求型の「マミープラス」という3つの屋号を展開しています。近年は特に、「生鮮市場TOP!」に力を入れており出店を加速させています。
私はマミーマートの店舗開発部に所属しており、全出店用地の売上予測を専門に担当しています。 売上予測以外の要素に左右されない客観的・中立的な立場から予測を行うことで、担当者ごとの判断のブレを防ぎ、客観的な数値に基づいたフラットな判断基準を構築することが私の役割です。今では、社内の出店判断も「経験と勘」からデータドリブンなアプローチへと進化しました。

膨大な手作業から解放され、短時間で精緻な予測が可能に。
GISの活用を広げるきっかけは?
以前よりMarketAnalyzer® 5 (MKA)は導入していたものの、出店戦略に積極的に活用していませんでした。出店用地の評価や売上予測に明確な基準がなく、担当者の経験や勘に頼る部分が大きかったというのが事実です。 出店にかかる投資額が大きくなるなか、慎重になりすぎるあまり売上を低く見積もるケースもありました。GISがあるにも関わらず売上予測はほぼ手作業で行っており、地図を貼り合わせたりマップメジャーで距離を測ったりと、膨大な時間と手間がかかっていました。
そこで、MKAを本格的に活用することにしました。 ツールを使えば、誰がやっても同じ結果になり、客観性が担保できると考えたからです。結果、作業時間が劇的に短縮され、1案件あたり約20分で初期試算が可能になりました。 データに基づいた再現性のある予測が確立したことで、意思決定のスピードも格段に上がったと感じています。
商圏マップの可視化や既存店分析など、多角的な活用で判断を支援。
どのような業務にご活用ですか?
MKAは、主に以下の業務に活用しています。
● 新店候補地の売上予測: ハフモデルの予測式を作成し、予測年商を算出します。
● 想定商圏マップの作成: 出店候補地周辺において人口等の統計データを活用したヒートマップを作り、ボリュームゾーンを色の濃淡で分かりやすく可視化したマップを作成しています。このマップは、物件を見に行く役員やメンバーに提供され、線路や川といった地理的要因を含めた商圏の特性を視覚的に把握するために役立っています。
● 既存店への影響度分析: 競合の新店出店や閉店、あるいは自社の業態転換(マミーマートから生鮮市場TOP!へ転換する等)が発生した際に、どんな影響がでるかをハフモデルで分析しています。

(MarketAnalyzer® 5 分析画面イメージ)
データに基づく予測が社内の共通言語となり議論を促進。
導入の成果は?
MKAの活用は、社内文化に大きな変化をもたらしました。昔は、出店候補地として何もない区画整理地や藪を見に行くようなこともある時代でした(笑) しかし、今では私が提供するデータに基づいた「客観的な数字」が評価され、人による判断のブレがなくなったことで、客観的な数値でフラットに議論できるようになりました。これは大きなメリットと感じます。
物件候補地が出ると「とりあえず須金に回して」というのが社内の共通言語になっており、私が作成した予測値が載った表紙を見るだけで“物件を見送る判断”を素早く下せるようになりました。
AIや人流データ活用の可能性を模索し、さらなる予測精度の向上を目指す。
今後の展望について
売上予測のさらなる高度化を目指し、人流データのような新たなデータやAIの活用を模索しています。
「生鮮市場TOP!」には会員データがないため、人流系のデータやツールは来店者の状況把握に役立つかもしれません。今の予測モデルは、試行錯誤の結果、比較的シンプルにしているのですが、新たなデータの投入により精度が向上する可能性があるので、運用方法や費用対効果を見つつ今後も検討を重ねていきたいと思います。
AIにも大きな期待を寄せています。 人間には想像もつかない膨大な作業をコンピュータが担ってくれることに、間違いなくメリットがあると思うからです。 将来的には、ある程度の商圏データを入力するだけで売上予測が自動で出るようになり、自身の予測とは別の客観的な選択肢としてAIの予測を活用できるようになることを願っています。
(取材月:2025年3月)
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【営業担当からの一言】 定期的に須金様とはMarketAnalyzer®に関するお打ち合わせの機会を頂いております。 |