導入事例レポート

フレックス株式会社

フレックス株式会社

本社所在地
東京都港区北青山二丁目5番8号
事業概要
自動車事業(新車・中古車販売、買取、修理・板金・車検)
金融事業(医療ローン、オートローン、ローン保証業・集金代行業)
飲食事業(ハンデルスベーゲン)
公式サイト
https://flex.jp/

GISで商圏を可視化し、データに基づいた出店戦略、広告戦略を推進。
位置と時間のリアルタイム配信が可能なMarketAnalyzer® Adsも活用し
年末年始イベントの客足や売れ行きの向上を実現。


ランドクルーザー、ハイエースの2車種の専門店を全国約50店舗展開されている株式会社フレックス様。顧客の来店経緯や購買行動を事前に把握するため、店舗の商圏や競合の影響を加味したエリア分析を実現する当社のGISを導入されました。自社データや統計データ、人流データを駆使し、ロジカルな立地判断や集客施策の効率化につなげていらっしゃいます。

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【目次】

  1. (1)GIS導入のきっかけ
  1. (2)GISの業務活用について
  1. (3)地理的要因を踏まえた”リアルな商圏把握”とは
  1. (4)GIS導入前後の変化について
  1. (5)MarketAnalyzer® Adsの”リアルタイム広告配信”の結果
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フレックス北畠様

北畠様のお仕事内容についてお教えください。


私は、デジタル領域全般のマーケティングを中心に担当しています。
全国に約50か所ある店舗への集客・来店を目的としたWeb上の施策、例えばカーセンサーやグーネットといった中古車検索・販売等の外部サイトや自社サイトを経由したお問い合わせの増加のための広告運用等です。
同時に、フレックスというブランドの認知度向上策も行っています。

店舗のあるビジネスにとって、立地は経営を左右する大きな要素。
勝負できるエリアかどうか、出店前に様々な角度から分析できるGISは強い味方になる。


GIS導入のきっかけは?


握しながらマーケティングを行わないと、デジタル上だけで数値を追っていても効率的な集客が難しい側面があります。
高単価の商品のため商圏範囲も広く、ほとんどのお客様は車で来店されることから、山や川、交通渋滞等の商圏バリアを事前に把握することで、出店後の集客に大きく差が出てくると思っています。店舗の商圏を意識した広告戦略を行わないと、広告の無駄打ちになったり、効果を最大化できないという課題があり、地図上で様々なデータを集計し分析できる「MarketAnalyzer® 5」の無料トライアルをしてみようと思いました。

インタビュー風景

営業推進室 戦略担当 マネージャー 兼 ウェブマーケティング課 課長  兼 開発本部 リノカ事業部 副部長
北畠 潤一様


GISを使う前は、店舗と本社機能が完全に分かれており、店舗運営は店舗に任せて、私たち本社のマーケティングはデジタルやExcel上で分かることを行っていくスタンスでした。
店舗を把握しようにも、お客様アンケートはあるものの回答にばらつきがありますし、店舗と本部で休日も異なるため連携が困難です。ネットやリアル関係なく、店舗に合わせたマーケティング施策を立てていくためには、何かツールやデータを活用したエリアや店舗、顧客の把握が必要だと感じました。

商圏把握や店舗分析に役立つMarketAnalyzer®シリーズや店舗来訪者の属性が分かるKDDI Location Analyzerを活用すれば、店舗周辺がどんなエリアなのか、どんな人達が来店しているのかといった現況把握ができそうだと思い導入に踏み切りました。

競合の影響や、ターゲット層のボリューム等をデータで把握し
出店エリアのポテンシャルを定量的に把握。
物件候補地の収支シミュレーションに活かしていく。


GISは、どのような業務にご活用ですか?


主には、出店エリアの分析や競合調査に活用しています。
年に3~5店舗ほどリニューアルや新規でお店を開店しますが、その際に、店舗周辺エリアの商圏データのチェックや、競合に対する優位性の評価、物件候補地に対する収支シミュレーションを策定しつつ、何年で投資回収できるか等を判断します。

見ているデータは、主に人流や基礎的な商圏データ、年収データ等を踏まえつつ、私たちが扱っている価格帯の車を購入される方がどれくらいいらっしゃるのかを分析します。また、弊社はランドクルーザーとハイエースの専門店を運営しておりますので、自動車保有傾向も見ています。 MKAではランドクルーザーやハイエースを保有している方、今後乗り換えの可能性のある車種を保有している方のボリュームの把握もできますし、KLAを活用すれば競合店舗にどの辺からお客様が来店されているかもヒートマップで可視化できます。また、弊社の顧客住所データが入っているMKAに、KLAの店舗来訪者データ(性年代、居住地データ等)をシームレスにインポートできるので、自社店舗だけでなく競合店舗の集客エリアも地図上に可視化でき、より現実に近い形で集客の見込みを立てることができます。

MarketAnalyzer® 5で、自動車保有傾向や世帯年収等の条件を満たすエリアを抽出し、可視化したイメージ

MarketAnalyzer® 5で、自動車保有傾向や世帯年収等の条件を満たすエリアを抽出し、可視化したイメージ
※フレックス様の分析画面ではありません。


競合環境も地域によりけりで、北海道のように全く競合がいないエリアもあれば、大阪・名古屋の都市部のように競合が多いエリアもあります。競合が多い=人口も多いため、一概に「競合が少ないほうが集客しやすい」とも言えません。MKAやKLAで“競合の客層や客足、集客エリア”をデータで把握できる点は、より現実に近い形で収支シミュレーションの数値を固めていくのに役立っていると感じます。

地図上に集客エリアを可視化することで、
地理的要因を踏まえた“リアルな商圏”が見えてくる。


好調ではない店舗の要因調査にもGISを活用しています。
店舗側から「なぜ売れないんだろう」、「なぜ人が来ないんだろう」という相談を受け、調査をします。

これは、人口がとても多いエリアなのに実際の来店が芳しくない店舗を分析した時のエピソードですが、店舗周辺の人流をヒートマップで見たところ、川によって人の流れが妨げられていました。その川にかかる橋は400メートルほどですが、土日は渡るのに1時間かかるという記事も結構出ていて商圏の分断要因になっていました。
川の向こうの競合店舗には来訪が多いのですが、私たちの店舗の方には橋を渡らないと来ることができない状況で、ヒートマップでは店舗来訪の有り無しが川沿いでくっきりと分かれていて驚きました。
こういった来店の障壁や競合の影響等、何か起こりうるリスクを事前に察知できるよう、出店前にしっかりとデータ分析していくことが重要ですね。

KDDI Location Analyzerで、競合店舗開業後の集客エリアの変化を可視化したイメージ

KDDI Location Analyzerで、競合店舗開業後の集客エリアの変化を可視化したイメージ
※フレックス様の分析画面ではありません。

商圏分析ツールを使うようになり、社内でも立地評価の意識が向上。
分析した後も、データと土地勘、お互いの見えない部分を補完し合い
結果の検証を行っていく。


GIS導入前後での変化は?


一番の変化は、データや分析に対する社内の意識が高まったことです。
導入する前までは、店舗の立地は“なんとなくの土地勘や感覚”で決めている状況でした。
MKAで商圏分析をするようになって1年以上経ちますが、地理的な要因やエリア特性を加味した十数店舗の分析結果を経営陣に共有をしていくなかで、商圏分析に対する経営陣や(店舗の)現場の意識がだいぶ変わってきたと感じます。

そもそも「商圏」という考え方自体根付いていない状態でしたので、導入当初はKLAの6地点同時に来訪者分析ができる機能や、MKAの商圏レポートで出てくる豊富な図やグラフ等を見て、「こんなことまで分かるのか」という反応でした。分析の重要性が浸透してからは、社内からの商圏分析や人流分析の依頼も多くなりましたね。

MarketAnalyzer® 5 商圏レポートイメージ

MarketAnalyzer® 5 商圏レポートイメージ(フレックス様のレポートではありません)


データでの分析に合わせて、店舗(現場)の声も大切にしています。
KLAで競合店舗にどの辺からお客様が来ているのか等を見た後に、MKAのグラビティモデル機能等を使って「何が商圏の障壁になっているのか」を想像したり、店長に直接電話で聞いて、地元の人の感覚、行動するルートや範囲、この辺の距離までなら買い物に行く、といったことを把握します。
地図上では分からないことがたくさんあるので、店舗の現場の声も吸い上げて地図と合わせつつ、自分の分析結果が当たっているのかどうかという検証も行っています。

「今その場にいる人に配信できる」MarketAnalyzer® Adsなら、
普段の生活圏以外にいる帰省中の方へのアプローチが可能。
集客広告を実施したカー用品店では、過去5年で1番の売れ行きに。



MarketAnalyzer® Adsによる広告配信の結果は?


今年の初売りフェアの集客に、MarketAnalyzer® Ads(Ads)を活用しました。
初売りフェアは1年で一番大きなセールで、来店数も桁違いに多く大変賑わいます。

帰省や旅行と、普段の生活圏ではないエリアで過ごす方が多い年末年始にかけての集客なので、「今まさにその場にいる人達」に向けた配信をしたいと考えており、指定エリアにいる人だけにリアルタイムに配信できるという、他の広告媒体に無い※Adsならではの特徴が最適だと思いました。


MarketAnalyzer®Ads広告配信イメージ

※一般的なWEB広告は、端末の位置情報の足跡をたどるような配信形式がほとんどなため、「昨日は北海道にいたけど今日は東京にいる」という場合、最新の位置情報が北海道にあれば北海道の広告が表示される可能性があります。

年末年始は、実家や親戚、地元の友人との会話の中で、「ご近所の新しい車が、すごくよさそう」とか、「親戚に子供が生まれて、車を買った」といった話題が上り、車の買い替えを検討するケースも少なくないと推測します。
そういったタイミングで、ランクルやハイエースを検討していた層、もしくは少し興味が湧いた層に向けて、セールの広告を配信できればと、Adsを活用しました。

結果は、集客に大きく貢献できたと感じています。
広告を実施した店舗は、車ではなくカー用品等を販売しているお店(6店舗)で実施しましたが、ここ5年で一番の売れ行きでしたね。オープン前から来場者の車が並ぶ状況で、来店も過去一番多かったです。

配信対象は、どのように選定されましたか?


私たちの商品は高単価な「車」ですので、購入を決めるのはドライバーの方だけでなく家族も入ります。 例えば、ランクル・ハイエース好きな男性だけではなくその配偶者の方へも配信し、「フレックス」というブランドを覚えてもらいたいため、広範囲にアプローチしました。 あまり絞り込みすぎると配信数がでないので、今後は、ある程度人が集まる場所に対して配信をしてみても良いかもしれません。弊社の車の購買層の興味関心が高いイベントや趣味、例えばキャンプやアウトドアがありますが、そういったテーマのイベントに出店し、集客広告を打つのもよさそうです。 また、GISならではのメリットを生かした広告配信も検討してみたいですね。 KLAで、「このイベントやエリアに、過去このタイミングで来た人達の居住地」が分かるので、MKA上でそのエリアを指定して配信すると、半径で一律で配信エリアを設定するより無駄も少なくなりそうです。

居住者やエリアの特性、様々な統計データ、店舗来訪者等、きめ細かな配信セグメント設定が可能なMarketAnalyzer® Ads

居住者やエリアの特性、様々な統計データ、店舗来訪者等、きめ細かな配信セグメント設定が可能な
MarketAnalyzer® Ads


リアルタイム配信も大きな魅力ですが、MarketAnalyzer® 5で販促に最適化したエリアを抽出し、そのエリアをそのまま広告配信に活かせるのも、一般的な広告配信にはないAdsのメリットかと思います。まずはエリアを絞って、テスト的に実施してみるのもよいですね。


(取材月:2025年5月)



導入頂いたシステム

GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer🄬 5」

【探索的かつ高度な分析に対応】ビッグデータ時代の商圏分析・エリアマーケティングシステム(詳細はこちら

GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer🄬 Satellite」

基本の商圏分析・情報共有ツール(詳細はこちら

GIS(地図情報システム)「KDDI Location Analyzer」

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ジオターゲティング広告配信サービス「MarketAnalyzer🄬 Ads」

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