導入事例レポート
大和リース株式会社様
- 本社所在地
- 大阪府大阪市中央区農人橋2丁目1番36号
- 事業概要
- 規格建築事業、流通建築リース事業、環境緑化事業、リーシング ソリューション事業
- 公式サイト
- https://www.daiwalease.co.jp/
行政への提案説得力を高めた、KDDI Location Analyzer活用術
〜「なぜその数値か」を説明できる、透明性の高い人流データへの転換〜
商業施設「フレスポ」「BiVi」「ブランチ」等の開発・運営を手掛ける大和リース株式会社様は、出店戦略立案に長年「MarketAnalyzer® 5(MKA)」を活用されています。MKAに加え、この度、公民連携事業(PPP/PFI)や施設の販促計画強化を目的とし、「KDDI Location Analyzer(KLA)」を導入されました。導入前の課題や、KLA活用による具体的な成果についてお話を伺いました。
| 【課題】 | 【効果】 |
|
・分析データの整合性を高め、社内の納得感を醸成したい ・行政や自治体への提案において、数値の算出根拠を 論理的に説明する必要があった |
・イベント参加人数とKLAの抽出数値が近しいため、 以前と比較して整合性が高まった ・GPSデータに基づく透明性の高いロジックにより、 公募案件(PPP/PFI)での提案説得力が向上 |
藤澤様のお仕事内容について
私が所属する流通建築リース事業部 SC運営部SC運営課では、大和リースが運営する商業施設『フレスポ』『BiVi』『ブランチ』等の運営支援やサポートを行う本部機能を持った部署です。私自身は主に、催事事業者の斡旋、そして今回のテーマでもある人流・マーケティング分析を担当しています。具体的には、全国の各営業所から『分析データを使いたい』という要望が上がってきた際に、私たちが分析を行い、その結果を現場へ落とし込むサポートを行っています。
整合性の高いデータを求め、
説明責任を果たせる透明性の高い分析手法へ転換。
KLA導入前の課題
これまで別の人流分析ツールを利用していましたが、より正確性に即した運用を目指してシステムの見直しを検討していました。
以前のシステムで算出される人流データの推計値は、イベント参加者の実績人数と大きな乖離が見受けられました。また、推計値の算出プロセスが独自のロジックを含んだ複雑なもので、ブラックボックス化していたため、なぜその結果になるのかを社内外へシンプルに説明しにくいという側面もあり、より透明性の高い分析手法を探していました。

KLAの、シンプルで透明性の高い拡大推計ロジック。
行政や関係者へ、「数値の根拠」を明確に示せる点を評価。
導入の決め手は?
リプレイスにあたり重視されたのは、データに対する「納得感」と、第三者への「説明のしやすさ」でした。
KLAはauのGPSデータ※をベースにしており、現場の感覚値と照らし合わせても非常に納得感のある数値が得られました。また、GPSデータに公的な人工統計を基にした拡大推計を合わせるというロジックがシンプルで分かりやすく、行政や社内へ提案する際も『根拠のある数値』として自信を持って提示できる点が、導入の大きな決め手となりました。
※KDDIがauスマートフォンユーザー同意のもとで取得し、誰の情報であるかわからない形式に加工した位置情報データおよび属性情報 (性別・年齢層)を指します。
公園等の公募案件における予測根拠の提示から、
商業施設のターゲット属性に合わせた販促最適化まで活用。
どんな業務に活用されていますか?
現在、KLAは主に以下の2つのシーンで活用されています。
1. 公募案件(PPP/PFI等)の提案書作成
行政から公園や遊休地の活用について公募(Park-PFI等)があった際、提案書の根拠データとして活用しています。 具体的には、まず対象地の「現在の人流」をKLAで計測します。その上で、「我々が再整備・運営することで、現在の1.X倍の人流を目指します」といった目標数値を算出する際の根拠として提示します。 行政側も根拠のあるデータを求めているため、感覚値ではなく、GPSデータと統計に基づいたロジックで「Before/After」の予測を示すことが、提案の信頼性に繋がっています。
2. 商業施設の販促・催事イベント計画
既存施設の運営においては、勘や経験に頼らず、来場者の「属性」と「居住地」に基づいた精度の高い企画立案に役立てています。 さらに、最も頻繁に活用している「6地点分析」機能により、自社施設だけでなく競合施設や近隣店舗を同時に比較・分析しています。自施設を単体で見るのではなく、競合と横並びで見ることで「相対的な立ち位置」や「商圏のシェア」を客観的に把握でき、より戦略的で説得力のある運営方針の決定に繋がっています。

(イベント企画の最適化)
施設ごとの来場者属性を分析し、例えば「女性比率が高い施設なら女性向けイベント」「夜間の人流が多いなら飲食・ナイトイベント」といったターゲット選定を行います。逆に「平日の昼間が弱い」という課題が見えれば、そこを埋めるための平日ランチタイムのイベントを企画する等、データに基づいた弱点補強にも活用しています。
(商圏分析と広告エリアの適正化)
「居住地分析」を用いて、実際にどこからお客様が来ているかを地図上で可視化し、チラシの配布エリアやWeb広告の配信エリアが適切かどうかを検証しています。人流データがない時代は施設を起点とした円商圏で販促エリアを設定することが多かったのですが、KLAを活用すると地図上で実際の集客エリア(円ではなくギザギザな形状のリアルな商圏)を把握できるため、根拠をもって施策立案できていると感じます。

(テナント誘致(リーシング)への活用)
施設内で空き区画が出た際、その区画周辺の人流や通行量をデータで示すことで、「これだけの集客ポテンシャルがある場所です」と候補テナントへ提案する際の資料としても活用が進んでいます。
行政提案の説得力向上と、地図による解像度アップを実現。
根拠ある数値と可視化が事業推進の強力な武器に。
導入の効果は?
(社外への提案におけるメリット)
最大の導入効果は、行政や自治体に対する提案資料の「説得力」が格段に向上した点です。
「行政から公募があった際、『現在はこれだけの人が来ているので、我々が整備することでこれくらいの来場増が見込めます』という提案を行います。KLA導入後は、算出ロジックを含めて明示できるため、提案内容への信頼性が高まりました。
(社内のエリア理解におけるメリット)
数値の羅列ではなく、地図上での可視化機能が強化されたことで、現状把握のスピードと精度が上がりました。
以前のシステムでは、『○○市から何人来場』といった数値情報のリストでしか把握できず、そこから具体的な商圏をイメージするには、手作業で地図に落とし込む等の手間が必要でした。
KLAは、地図上で『どのエリアから人が来ているか』が市区町村や町丁目単位で色分け表示されるため、一目で商圏の広がりや濃淡を理解できます。また、csvやExcel形式でデータを容易に抽出できるため、自由に編集・加工できレポートでの表現の幅も広がります。

※分析結果のcsvダウンロード機能は標準機能です
全国拠点が自走できる体制への移行を目指し、
MKA連携活用で施策精度をさらに高める。
今後の展望について
現在は流通建築リース事業部での活用が中心ですが、今後は「規格建築(行政への提案)」や「環境緑化(公園案件)」等、他事業部にも活用を広げたいとしています。「活用が難しそう」という心理的ハードルをなくすためにも、具体的な成功事例を多く作り、それを示す説明会を行いつつ、全社的なツールとして定着させることを目指しています。
また、長年使っているMKAとの連携にもチャレンジしていきたいです。
KLA単体では分からない「年収」や「家族構成」等の詳細な属性データを付加することで、来訪者の解像度が高まります。
MKA連携による来訪者のペルソナの深堀りや、来年実装される「立ち寄り分析」を組み合わせることで、特に行政や公募案件に対する提案精度をもう一段階引き上げられるはずです。分析結果を武器に、より本質的な街づくりや施設運営の戦略を描いていきたいと思います。
(取材月:2025年12月)
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