開発者インタビュー

KDDI Location Analyzer(以下、KLA)は、
KDDI株式会社と、技研商事インターナショナル株式会社
(以下、当社)の共同開発システムです。

こちらのぺージでは、
システムの開発を担当した当社のエンジニアと営業担当が、
KLAの意外な活用法やぜひおすすめしたいポイント、
開発時の秘話等を紹介いたします。
ツールの導入時や活用時の参考に、ぜひご覧ください。

改善のソースは、お客様の声。
かゆいところに手が届くきめ細かさでユーザーニーズに細かく応えていく。

エンジニアから見たKDDI Location Analyzerのメリットとは?

倉本 忠

技術開発部 部長
倉本 忠

倉本:
位置情報データの品質やボリューム、システムの安定性など、たくさんあげたいのですが(笑)、お客様目線でひとつあげるとすると“システムの改善頻度”です。

KDDIと当社で、お客様からの改善要望を細かくヒアリングし、改善や機能追加は数ヶ月単位で何度も実施しています。
開発を続けていく中で大事にしていることは、パフォーマンスとニーズとのバランスです。お客様はデータ保持期間が長ければ長いほどうれしいし、ジオフェンスのサイズも大きければうれしい。そういうニーズをそのまま実現するとパフォーマンスに影響してしまいます。どうすれば、お客様の満足度を高めるところまでもっていけるのか。
また、改善の頻度が高いゆえに、定点観測のような活用をされているお客様にとっては、機能や仕様が変わる瞬間は、データの整合性を合わせるという意味でデメリットにもなりえます。どうやってお客様の負担を少なくし改善していくか、我々の腕の見せ所でもありますし、細心の注意を払う部分でもあります。

菊池 奈緒

ソリューション営業本部 アライアンスビジネス営業部
菊地 菜緒

菊地:
確かに、お客様からも「システムって大体1年くらいたってからリニューアルされるイメージだけど、KLAは数か月たつと新しい機能が出ていたり、分析できる内容が増えていたりする。」「進化のスピードが速い。」とよく言われます。

お客様一人一人の声を聴き、データベース化もしています。
最近は、多数の地点で比較分析できるとよいというニーズが高く、KLAでは同時に比較分析できる地点を当初は1地点、すぐに3地点、現在では6地点へと拡充していきました。

KLAでは、店舗や施設も分析地に指定できますが、自社店舗や自社の系列店舗、競合店舗まで含めて来訪者や人流分析をするとなると、3地点でも足りずもっと増やしたいという声は非常に多く、今では6地点まで可能となりました。

同時に6地点の分析は、システム的な負荷もかなりのもの。
パフォーマンスを落とさず、できることを増やしていく。

倉本:
同時に比較分析ができる地点数の拡大は、単に数が増えるだけに思えますが、分析結果をどう見せるか、ダッシュボートのUI等の整理には時間がかかりました。
また、取得するデータ量が増えると、地図上やグラフに描画する時間もかかるため、KLAの大きな強みである「分析スピードの速さ」に影響しないよう改善する点も苦労しました。ここは、当社が長年培ったGIS(地図情報システム)開発のノウハウが活かせた部分かと思います。

分析画面

KDDI Location Analyzer分析画面


また、私はKLAは即応性が一番の強みと思っています。システム的にも、ユーザーがいつでも任意のタイミングで集計でき、また自分自身で集計が終わったかどうかを即座に確認できるという部分が大事だと考えています。
新機能や機能改善を次々と開発していますが、あくまで即応性を損なわないことは常に意識しています。

滞在時間等の集計条件の設定も、お客様のニーズに合わせて柔軟に変えていった機能のひとつです。滞在時間の上下限の幅は開発時から格段に広がっていますね。長時間滞在者を分析対象から除けたりするので、オフィスビルやレジデンスビルに入っている店舗等で、居住者や勤務者ではなく、店舗に来訪しているであろう人に絞ってスピーディに分析できるようにしています。

さらに、分析エリアの設定方法も進化させました。
最初は「中心地から〇km」という商圏を設定をできるようにしていたのですが、足元の市区町村や町丁目内の利用者を分析したいというニーズも高く、行政界単位で指定して来訪者の属性を分析できるように改善しています。

直近のアップデート、分析期間を2018年まで遡れる点は
お客様からの評判がかなり良いですね。

岡村 大介

アライアンスビジネス営業部 アライアンスビジネス課 課長代理
岡村 大介

岡村:
評判のよい機能は、最近のアップデートで2018年まで遡って分析できる点です。
もともとオプション機能として開発を進めていたのですが、標準機能で使えて、目の前の業務にすぐに活用できるという声をいただきます。
コロナ禍となって環境が大きく変化してきましたが、今ではコロナ禍前と現在を比較したいという分析ニーズが増えています。
流通小売系であれば、コロナ禍前と比べたときに、実際に店舗周辺にはどんな人がきているかを把握するのに活用いただけています。

KDDIのデータクオリティの高さと当社の開発技術・分析支援ノウハウ。
双方を重ね、常に進化しつづけるサービスを。

ぜひ注目いただきたいKLAの強みは?

倉本:
なんといっても、性・年代という属性で分析できる点です。しかも、属性はアプリ等の任意の登録情報ではなく、auスマートフォンの契約者情報に基づいています。KDDIの位置情報データならではの高い信頼性や品質は、導入時にお客様から多く聞く魅力のひとつです。

河井 将徳

ソリューション営業本部 アライアンスビジネス営業部 部長
河井 将徳

河井:
より高度な分析が可能な当社GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™ 5」とのシステム連携がワンクリックでできる点も、ぜひご注目ください。

人流データで来訪者の把握ができるようになると、「もっと深く知りたい」というご要望をいただくことは少なくありません。例えば、店舗周辺に住む人の特性と人流を掛け合わせて顧客ペルソナの分析を行ったり、自社の実績データと人流を掛け合わせて売上予測モデルを精緻化したり。KLAで把握できる高品質な人流データと、MarketAnalyzer™のような高機能GISのもつ幅広い公的統計(家族構成や年収、消費傾向等)や3rd Partyデータを掛け合わせた、よりリアルで探索的な分析ニーズが、最近増えているように思います。

長年培ったGIS開発や導入支援により、当社には数々のエリアマーケティング・商圏分析の課題解決のノウハウが蓄積しています。そうした知見を活かし、お客様のニーズを先回りしつつ、人流データ単体と様々なデータと複合的に分析できる環境を充実させているところです。

今後も改善を重ねていきつつ、よりよいサービスへの進化させていきたいと思います。ご期待ください。

営業担当おすすめ
意外な活用法、3

菊池
菊地のおすすめ! 自店舗や競合店舗の来店の手段や目的を分析したいなら

最近お客様から評判が良い活用法は、KLAの併用分析を使った交通経路の予測です。
KLAは複数地点における併用率を把握できますが、自社店舗と駅との併用が多ければ来店手段として電車が多く、また駐車場や空港との併用が多ければ、車移動または飛行機での移動が多いと判断できます。

こうした店舗周辺エリアの回遊を把握する使い方は、店舗同士の人流データを比較や来訪者分析をしているだけでは気づかない活用法だと思います。
店舗や施設の来訪手段は、自社店舗ならアンケート調査できたとしても、競合のそれを把握するのは難しいためニーズの高い活用法です。

来訪手段の把握は、今後アフターコロナの旅行喚起により、旅行の経路が広がってきたときの分析にも重宝します。「どこから」だけでなく「何をつかって」来ているのかを知ることは、観光施策を企画する際や、来店誘導のプロモーション施策に重要です。来訪の経路を知る意味で、この活用法は重要な示唆を与えてくれるのではないでしょうか。

川上のおすすめ

河井
河井のおすすめ! 滞在時間を調べて来店目的を推測する。無制限で使えるツールならではの活用法

店舗で取りづらいデータとして「滞在時間」があります。
例えば、商業施設に来ている人が、目的を果たすとすぐに帰る人なのか、一日中いる人なのか。KLAは滞在時間を細かく指定できるので、滞在時間の強弱を調べることで、どの程度の、どういう目的で来訪している人が多いのかを推測することができます。
コロナ禍で長時間滞在が減ってきているといったことも、データとして示すことができ、コロナ禍前後の変化を知るエビデンスとして貴重なデータとなります。

このように、滞在時間を変えながら、自社の分析にベストな条件を探りつつ、トライ&エラーを重ね繰り返し分析するような活用は、ツールの利用回数に制限があったり、レポート納品型のサービスだと、なかなか前に進みません。柔軟に分析期間や条件を変えたり、定点でデータを取り続けることができるのは、費用を気にせず無制限に分析できるKLAならではのメリットといえます。

河井のおすすめ

岡村
岡村のおすすめ! 集客の空白エリアや、重点ターゲットが多く集まるエリアを鮮明に可視化できる

時節柄の活用例では、コロナワクチンの接種会場選定もあります。
例えば、若者の接種率が低い課題のある自治体の場合、現在設定している会場への来訪者の属性や居住地が分かるとともに、どこから来ていないのかも可視化できます。

集客の空白エリアをつかむことで接種率向上の施策が立てやすくなりますし、20~40代の来訪率が多いエリアをKLAで把握し、その付近に新たな会場を追加することで、若い世代の接種率向上の施策につなげることも可能です。
このように、エリアや場所の特性、集客力などを把握できる点は、キャンペーンやイベントのエリア選定や効果測定等、さまざまな業務に活用できます。

岡村のおすすめ

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