商圏分析GISコラム | GIS(地図情報システム)による商圏分析のあるべき姿

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GIS(地図情報システム)による商圏分析のあるべき姿

 

月刊GSI 2018年2月号(Vol.80)

 GIS(地図情報システム)による商圏分析は日々進化しており、GISに求められることも変化しています。今回のマンスリーレポートでは「GISのあるべき姿」と題して解説します。

はじめに

 GISを利用した商圏分析は、国内では約20数年前から始まったとされています。小売業・飲食業などの多店舗展開のチェーン企業や、生活者をターゲットとする消費財メーカーからその取り組みがスタートし、現在ではあらゆる業態に浸透、活用されています。その分析内容も年々高度化しており、単純にデータを地図で見える化し、商圏の人口特性を把握するだけではなく、統計解析や予測モデルを駆使した売上予測、品揃え、出退店分析、業態転換、顧客分析、販促エリアの最適化まで広がっています。

 GISのあるべき姿として過去よりこれまで求められてきたのは、自社のターゲットをより詳細にセグメントできるデータベースの豊富さや、そのデータを意思決定のための判断材料としてアウトプットできる処理能力、つまり分析機能でした。これからはそれだけではなく、分析した結果とそこから得られた知見を企業の資産として、その資産を効果的かつスピーディーに全社に浸透させていくかが課題となってくるでしょう。

 ここからは当社のGISユーザー企業のケースをご紹介しながら、GISによる商圏分析の現状とあるべき姿について解説していきます。

ケース1:本部と現場での分析結果の共有不足から起こる意思決定の不統一


 GISの導入部署、運用主体の多くはチェーン企業の本部やメーカーの本社です。店舗開発部や経営企画、営業企画などの本部機能を有する導入部署では「データによる意思決定」が浸透していても、その一方で、現場部署である各店舗の店長やスーパーバイザー、エリアマネージャー、営業所は未だに「経験と勘」によるオペレーションを続けているという話をよく耳にします。

 経営戦略として各企業が蓄積したナレッジをデータによって可視化し、客観的なエビデンスによって意思決定していこうという時代ですが、現場では日々の店舗の運営に精一杯で本部の分析結果が共有されていないか、共有されていても活用されていないことがあるようです。店長やスーパーバイザーは自分が担当する店舗やエリアの土地勘があるが故に、主観的な判断基準だけで意思決定を行い、商圏の人口動態の現状や過去からの推移、競合店舗の出退店を把握できていないことがあります。客観的な情報がない、あるいは活用できていなければ売上の減少や顧客の減少につながる可能性もあるでしょう。とはいえ、本部で使用しているGISを現場にも導入し、活用を求めるのは現実的ではありません。分析を行う時間やナレッジの確保が困難で、費用対効果に問題があるからです。また、現場から本部に分析を依頼し、都度本部で分析作業をするという運用フローも無理があります。依頼すること自体にハードルがあり、依頼する側にもされる側にも時間と労力がかかります。このような現状に対応するため、分析結果をスムーズにスピーディーに共有する仕組みが必要です。

ケース2:リテールサポートを行う本来の目的

 リテールサポートとは生活者をターゲットにする食品、酒類・飲料、日用雑貨、化粧品などの消費財メーカーが小売業を支援することを意味し、この分野でもGISは従来からよく利用されています。メーカーが自社の販路である小売チェーンに対して、各店舗の商圏構造を分析し、そのデータに基づいた品揃えを提案することで提案に客観性と付加価値を持たせ、結果的に価格競争を避けることができます。


チェーン企業の店舗分析のポイント

 話が横道にそれますが、ここでGISを用いたリテールサポートのポイントを解説します。簡潔に言えば、提案するチェーン企業の店舗全体を俯瞰した分析が必要だということです。店舗の商圏特性を読み取る際、個店の商圏情報だけではその特徴を判断することが困難です。「企業の店舗全体の傾向からすると、このお店はこういう特徴がある」という具合に比較軸として全店舗の商圏を捉える必要があります。さらに競合のチェーン全体と比べた提案先チェーンの傾向など、個店への提案にとどまらず、全体を俯瞰する分析によって本部商談につなげることもできるでしょう。
 


 さて、上記ポイントを加味した上で今後ますますリテールサポート分野で求められる商圏分析とは、分析結果の共有、成功事例の横展開ではないでしょうか。実際に次のような成功事例がありました。 ある大手飲料メーカーの札幌の営業ご担当者が、大口取引先である全国展開している小売チェーンの札幌地区の店舗に対して品揃えと店舗キャンペーンを提案し、採用され、そのキャンペーンが成功したそうです。その際の商圏分析結果や提案資料などが成功事例として社内のグループウェアにアップロードされ、それを見た同じ企業を受け持つ福岡地区の営業ご担当者が同じストーリーを博多地区に置き換えて提案したところ、こちらも採用され、成功したというものです。現場での取り組みとその分析ナレッジが社内にきちんと蓄積され、クラウド環境を通じて全社に共有されたことが成功の要因ではないでしょうか。ひょっとしたらさらにこの2つの成功例を見た別の地区の担当が、札幌と博多と類似した商圏特性を持つ別の店舗に提案を重ねるかもしれません。また、分析結果の共有方法が社内のグループウェアだったため、全国の営業員が普段から利用しており、使い慣れていたことも成功の秘訣だったとのことでした。つまり共有する仕組み、共有し続ける仕組みが重要ということです 。

ケース3:店舗開発担当者による主観的な物件選定


 次のケースはチェーン企業の店舗開発でのGIS利用です。店舗物件の調査のために、担当者は全国を飛び回っている状況です。現地調査ではその土地の生の様子や雰囲気を掴むことはできますが、俯瞰した分析はできません。そこでGISによる商圏データが必要になりますが、GISが導入されている本部に都度戻って自分で分析したり、依頼して結果を待ったりと、リアルタイムに物件を評価することが難しく、結果として出店の可否判断が遅れ、優良物件を競合他社に取られてしまうことがあったそうです。

 一方でタイムリーさを優先するあまりGISによる客観的なデータを用いず、担当者の主観だけで物件選定と出店可否判断が行われているケースも多く、本来は優良物件であるにもかかわらず不良物件とみなされ、チャンスロスしたケースも存在していました。現地でタイムリーに商圏データを取得できる仕組みが必要なのではないでしょうか。

GISに求められること

 以上3つのケースをご紹介しましたが、GISに求められることをまとめると以下のようになります。

 

 

 これらが商圏分析やエリアマーケティングを実施するためのGISとして本来あるべき姿ではないでしょうか。実現するために必要なシステム要件は以下のとおりです。

 

 

当社のMIP®|Marketing Intelligence Platformは上記を全てカバーしたGISソリューションです。ここからはMIP®をご紹介します。

MIP®|Marketing Intelligence Platformとは?

 MIP®は、リアル店舗の商圏データを一元管理・分析し、企業内の各部門・各階層で適切な判断を下すためのクラウド型情報プラットフォームです。Google Mapsをベースに、自社店舗とその商圏範囲を表示し、商圏内の各種人口統計データの集計値や地図分布、店舗間比較、チェーン間比較がインターネットブラウザで実施できます。高度な分析が可能なMarketAnalyzer™や、企業の各種システムと連携することもできます。 

個店と店舗全体の分析イメージ

 商圏の見える化と個店の商圏分析

店舗単位で商圏範囲を見るのではなく、チェーン全体の商圏の重なり具合、ドミナント状況を一目で把握します。 個店ごとの商圏内の人口や世帯数、年収・消費など様々な商圏データを表・グラフで表示。  顧客分布と人口分布を重ね合わせて表現することも可能です。どのエリアのシェアが高いか(低いか)を見える化します。

 

 チェーン内各店舗の比較と、他チェーン同士の比較

各店舗と自社店舗全体を比較し、商圏の特徴を掴みます。   店舗同士の年齢構成や世帯構成などの商圏特性を様々な表・グラフで比較します。 チェーン・企業の店舗全体の商圏特性を比較します。 

タイムリーな商圏調査

 

 MIP®はブラウザのみで利用できるため、インターネット環境があればいつでもどこでも商圏分析が可能です。店舗開発ご担当者が出店候補地の調査で現地にいる際、その場で候補地の商圏情報を取得することができます。

 

社内システムとの連携


 各店舗の分析結果には個別のURLが付与されるため、既存の店舗管理システムや社内システムにリンクを設定するだけで、ダイレクトに店舗ごとの分析結果を参照できます。

本部と現場のスムーズな共有・連携

 

  本部の分析ご担当者が商圏分析GIS「MarketAnalyzer™」で高度で探索的な分析を行い、分析結果をクラウド上にアップロードします。MIP®ユーザーはWEBブラウザでいつでもどこでも分析結果を参照したり、外出先で任意地点の商圏調査レポートを取得できます。

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