ホーム > マンスリーレポート > 年収データ最新版を用いて地域ごとの富裕度を知る

年収データ最新版を用いて地域ごとの富裕度を知る

月刊GSI 2016年3月号(Vol.62)

 前々回の2016年1月号(Vol.60)では『富裕度と富裕層をターゲティングするデータとその活用』というコラムを発表しました。当社の「推計年収階級別世帯数データ」の最新版が今月リリースされましたので、本コラムではこの最新データを用いて地域ごとの年収傾向を分析してみました。

◆印刷用PDFをダウンロード

1.データの概要

 「推計年収階級別世帯数データ」は、持家・借家といった住宅の所有関係ごとに、年収階級別世帯数を推計したデータです。公的な統計データを組み合わせて地域の富裕度を分析するデータは、当社に限らず総務省の住宅・土地統計調査と国勢調査を用いて推計することが多いです。大まかな推計ロジックとしては、住宅・土地統計調査の年収階級別・住宅所有形態別世帯数から階級別・形態別の構成比を求め、国勢調査のメッシュや町丁・字等別単位に集計されたデータに掛け合わせるというものです。

■年収構造の質的変化と量的変化
 つまり、住宅・土地統計調査が新しくなれば住宅所有形態別・年収階級別世帯数の比率が更新され、小地域単位の世帯数は変わらないが、平均年収が変わるということです。いわば地域の年収構造の質的な変化が反映されます。そして国勢調査が新しくなれば小地域別の世帯数が変化するので量的な変化が反映されるということです。

2.データの調査年度と時代背景

  「推計年収階級別世帯数データ」の最新版は、2010年調査の国勢調査と2013年調査の住宅・土地統計調査を基にしています。本データは世帯年収を表しますので注意が必要ですが、国税庁の民間給与実態統計調査の年間給与の推移を示します(図1)。

image12

 406万円と最も低い2009年は2008年のリーマンショックが影響したものと思われます。その後更に震災があり減少傾向が続きます。今回の最新版データはそういった時代背景の質的変化を反映させたものと言えるのではないでしょうか。前回リリースした2008年版での全国の平均世帯年収は494万円で、今回の2013年版は457万円となっています。

3.年収階級別の世帯数の分布

 地域ごとの富裕度は当然異なります。下記の図2は町丁目ごとに各年収階級(100万未満、100~200万、200~300万、300~400万、400~500万、500~700万、700~1000万、1000~1500万、1500万以上)の世帯数が一番多い階級にフラグを持たせ、それをヒストグラム(度数分布図)にしたものです。

最低の100万円未満と最大の1500万円以上は全体の1%未満と極めて低い出現率となりました。
年収200~300万円の層と年収500~700万円の2つのボリュームゾーンがあることがわかります。前者は若者単身層や高齢単身層というイメージは持てるかと思います。後者は他のデータも参照すべきで、解釈は色々ありそうですが、ニューファミリー層というイメージではないでしょうか。

【図2:年収階級別世帯数分布】

4.時系列比較

 次に前回の2010年版と今回の2013年版で地域ごとの時系列比較をしてみます。

image146

【東京都の平均年収増減マップ】

image10

【愛知県の平均年収増減マップ】

image11

【大阪府の平均年収増減マップ】

上記の地図は町丁目ごとに2013年の平均年収と2010年平均年収の差を表しています。東京都や大阪府では都心部の年収が増加し、愛知県は全体的に減少しています。

5.終わりに

 「推計年収階級別世帯数データ」の最新版では、このような、前回のデータ以降に生じた年収階級別の世帯構成の変化が反映されています。業種業態に関係なく地域の富裕度を知ることは重要です。この機会に最新の年収データで分析されてはいかがでしょうか?

 最後に、今回の分析は、商圏分析用GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™」を用いて行いました。ご興味をお持ちいただきましたらお気軽にお問い合わせください。

ご相談・資料請求はお気軽にどうぞ!
無料で資料請求 ➤
GSI
 ☎ 03-3506-1800
(受付時間:9:30~18:00 祝祭日を除く)