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富裕度と富裕層をターゲティングするデータとその活用

月刊GSI 2016年1月号(Vol.60)

 消費者や地域の富裕度を知ることは、あらゆる業種業態のマーケティング活動全般において必須の分析軸となっています。エリアマーケティング・商圏分析でも、富裕度や富裕層をターゲティングするデータベースは古くから分析に用いられています。本コラムでは地域ごとの富裕度や富裕層をターゲティングするデータベースについて紹介します。

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1.富裕度と消費の関係

 まずは、富裕度を分析軸にする意義について解説します。
 総務省統計局が毎年発表している「家計調査結果」の中に第2-8表「年間収入十分位階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」というオープンデータがあり、Excel形式でダウンロードできます(図1)。縦軸に消費カテゴリごとの消費金額、横軸に平均年収が記載されています。このデータは2014年1年間の結果です。

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【図1:家計調査結果 第2-8表】

 平均年収と消費の関係を見るために相関分析という分析手法を用いました。図2は相関係数の表です。表中の数値が相関係数で、1に近ければ近いほど関係性が高いと解釈します。

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【図2:年収と消費カテゴリの相関係数】

 大分類でみると、ほとんどの項目で年収と消費の相関性は高いと言えるでしょう。中でも「被服及び履物」が最も相関性が高くなっています。いわゆるファッションに関する消費は高年収ほど高額です。「教養娯楽」は、ゆとりに由来する消費と言え、裕福である程支出が多くなる傾向にあります。ただし、「住居」に対する相関性がやや低いのは、ある程度の年収を超えると、持ち家比率が上がるため、家賃負担などがなくなり、住居関連の消費支出が減ることが想定され、相関係数が上がらないと推察されます。ちなみに、年収と相関が低かったのは食料カテゴリの中の「穀類-米」「外食-学校給食」「諸雑費-たばこ」でした。富裕度に関係なく消費されるカテゴリ(品目)というわけです。

 このように、おおむね年収と消費は相関関係があり、消費カテゴリごとに傾向が異なることがわかりました。富裕度が高い世帯を捉えれば、自社の売上増につながる可能性が高まると言えるでしょう。

2.年収が高いエリアはどこか?

 それでは年収が高いエリアはどこなのかを見ていきましょう。図3は平均年収上位10都道府県です。やはり大都市圏が高くなっています。

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【図3:都道府県平均年収ランク】

 図4は1都3県の市区町村単位の順位です。最も高いのは東京都港区です。

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【図4:1都3県の市区町村別平均年収ランク】

 さらに東京都港区を細かく見ていきます。図5と6は港区を町丁目単位の平均年収で色塗りした地図と順位です。当社の推計年収階級別世帯数データを用いました。港区の中でも元赤坂2丁目と芝公園4丁目が高く、それぞれ1,000万円、900万円を超えています。

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【図6:港区の町丁目別平均年収ランク】

 ここまでは年収に関するデータを使って富裕度を見てきました。年収はいわゆるフローですが、それに加えて、ストックを示す貯蓄というデータを用いた分析も重要です。本コラムでは割愛しますが、弊社では貯蓄階級別のデータも提供しています。

3.富裕層をターゲティングする

 業態によってはターゲットを富裕層に絞って展開するケースも多くあります。外資系ブランドや高級車、高額不動産、銀行や証券会社などです。一般的な富裕層の定義としては、保有する金融資産が1億円以上の人を指すことが多いです。不動産を除く現金・預金・株式が金融資産の代表です。スイスの金融大手であるクレディ・スイスの2014年発表によると、金融資産を1億円以上保有する人は国内に約270万人いるとのことです。日本の人口総数を1億2,800万人とすると、約2.11%となり、100人に2人以上は富裕層に該当するという計算になります。

◯富裕層データベース
 このような富裕層をターゲティングするデータベースに「富裕層データベース」があり、当社パートナー企業の株式会社ランドスケイプが開発しています。国内の個人について各種公開情報を過去から蓄積し続けており、7億件以上のデータを名寄せして、9,500万人分、人口の約75%を網羅しています。この情報は様々な属性を持ち、職業、居住地などから個人を点数化し、一定以上の点数の人を富裕層と定義しています。点数によってゴールド(1億円以上)、プラチナ(2億円以上)、クリスタル(3億円以上)、ビリオネア(10億円以上)の4段階に分類しています(図7)。

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【図7:富裕層データベースのレイアウトイメージ】

 次に富裕層の地域分布を見ていきます。富裕層データベースの件数(推定金融資産1億円以上の人口数)を大字(◯◯町)単位で集計し、表現しました。

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 図8は東京都東部の富裕層分布です。成城学園前や田園調布など、いわゆるお金持ちの町は濃い色で表現されているのがわかります。

4.まとめ

①富裕度と消費は相関がある。
 業種業態に関係なく、富裕度が高いエリアから顧客を獲得すれば売上増につながる可能性が高い。

②町丁目単位で富裕度を可視化できる。
 年収や貯蓄に基づく富裕度を、町丁目(又は500m四方のメッシュ)という小地域単位でエリアを絞り込むことができる。年収・貯蓄ともに本年春に最新版がリリース予定です。

③富裕層をターゲティングできる。
 富裕度ではなく富裕層を地域単位でターゲティングできる富裕層データベースをご紹介しました。

 ご興味をお持ちいただきましたら、お気軽にお問い合わせください。お客様の課題に応じて最適なデータと分析手法をご提案します。

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