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「オープンデータのエリアマーケティングデータ化(1)」 ~少地域データの推計手法~

月刊GSI 2014年9月号(Vol.44)

政府統計のポータルサイト e-Statで入手できる統計情報をはじめとして、近年ではウェブ上などで手軽に入手できる統計情報が多く存在します。これらのほとんどは都道府県や市区町村単位の情報です。これを、GIS(地図情報システム)でよく使う1kmメッシュや500mメッシュ地図、町丁・字などの小地域地図で扱いたい場合があることと思います。
 しかし例えば、図1と図2のように、同じ就業者に関するデータであっても、希望するデータ・希望する単位で入手できないことがあり、就業者の詳細まで収録されていても公表されているエリアが市区町村単位だったり(図1)、町丁・字単位でエリアは細かくても就業者の詳細は公表されていなかったりします(図2)。
 このような場合の解決策として、市区町村などの広域単位のデータから小地域のデータを推計する方法をご紹介します。弊社マンスリーレポート Vol.7 (2011年8月号) の中で空間的マイクロシミュレーションのためのミクロデータの作成方法をご紹介しました。これは何度も繰り返し処理を行うために専用のスクリプトを用意する必要がある比較的高度な手法で、Excelの式のような標準的な方法で計算するのは困難なものでした。今回ご紹介するのは、Excelで実際に計算することが可能な、基本的で単純な方法です。

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1.はじめに

 政府統計のポータルサイト e-Statで入手できる統計情報をはじめとして、近年ではウェブ上などで手軽に入手できる統計情報が多く存在します。これらのほとんどは都道府県や市区町村単位の情報です。これを、GIS(地図情報システム)でよく使う1kmメッシュや500mメッシュ地図、町丁・字などの小地域地図で扱いたい場合があることと思います。
 しかし例えば、図1と図2のように、同じ就業者に関するデータであっても、希望するデータ・希望する単位で入手できないことがあり、就業者の詳細まで収録されていても公表されているエリアが市区町村単位だったり(図1)、町丁・字単位でエリアは細かくても就業者の詳細は公表されていなかったりします(図2)。
 このような場合の解決策として、市区町村などの広域単位のデータから小地域のデータを推計する方法をご紹介します。弊社マンスリーレポート Vol.7 (2011年8月号) の中で空間的マイクロシミュレーションのためのミクロデータの作成方法をご紹介しました。これは何度も繰り返し処理を行うために専用のスクリプトを用意する必要がある比較的高度な手法で、Excelの式のような標準的な方法で計算するのは困難なものでした。今回ご紹介するのは、Excelで実際に計算することが可能な、基本的で単純な方法です。

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【図1 詳細な就業者人口(市区町村単位】

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【図2 大雑把な就業者人口(町丁・字単位】

2.推計手法(構成比の適用)

市区町村など、集計単位は広域だが項目は詳細(小分類)なデータと、町丁・字など、集計単位は小地域単位だが項目は詳細ではない(大分類)データの2種類がある場合、これらを組み合わせて小地域単位で詳細なデータ項目を推計することができます。(図3)

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【図3 データの組み合わせ概念図】

 例として、次のデータを使って産業別就業者数の小分類を推計します(表1)。
①国勢調査2010年版の小地域メッシュデータ
 産業別就業者数の大分類が収録されています。
②e-Statの国勢調査データ
 都道府県単位と人口50万人以上の市区単位で、大分類の内訳となる小分類が全て公開されています。

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【表1 産業別就業者数の大分類と小分類(一部)】

3.杉並区の産業別就業者の小地域推計

 それでは実際に、東京都杉並区の町丁・字について、「電気・ガス・熱供給・水道業」それぞれの就業者数を推計します。まず最初に杉並区全体の小分類表から「電気・ガス・熱供給・水道業」関連のデータを抜き出し、合計人数から各職業の構成比を算出します(表2)。

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【表2 杉並区全体の職業別人数と構成比】

 次に杉並区の各町丁・字の該当する職業大分類の人数に上記構成比を掛け合わせます。図4は杉並区の町丁・字単位の地図と大分類単位のデータです。

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【図4 杉並区の町丁・字地図とデータ】

 図4の各町丁・字の数字に先の小分類単位の構成比を掛け合わせることによって、町丁・字単位で小分類の職業単位の人数を推計します。表3は計算結果の一部です。このように町丁・字単位で職業小分類ごとの人口を推計することができます。

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【表3 計算結果】

4.終わりに

 自社のターゲット分布を小地域単位で知ることは、エリアマーケティングにおいて大変重要です。様々なデータがオープン化されている現在でも本当に必要なデータが公表されているとは限りません。今回ご紹介した推計方法は単純なものですが、弊社では課題やデータの形式に応じて様々な推計方法でターゲットを「見える化」しています。
 次回のマンスリーレポートでは、地価をテーマに、オープンデータの公示地価データを用いてIDW法という手法により地価ポテンシャルデータを作成する方法をご紹介する予定です。

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