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住民基本台帳2013年版でみる人口動態の変化

月刊GSI 2014年7月号(Vol.42)

 住民基本台帳は1月の本コラムでご紹介しましたが、概要をおさらいしつつ、全国主要都市で特に人口動態の変化が大きかった場所をクローズアップします。

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1.概要

 住民基本台帳データは各市町村で管理する住民票をベースに、町丁目別に人口、世帯数、性年代別人口を公表したデータです。エリアマーケティングの領域では従来、町丁目別に毎年リリースされる鮮度の良い人口動態データとして利用されてきました。本項では今回新たにメッシュデータで推計された最新の2013年版データを基に、データ概要と国勢調査との違いを調査面・データ面で比較します。

2.住民基本台帳データの必要性

 住民基本台帳は毎年公表される点に大きなメリットがあります。国勢調査は2010年10月時点の調査であり、東日本大震災後の人口動態はつかめません。東日本大震災では被災地はもちろん、原発事故の影響による放射能の問題で、関東地方にも人口動態の変化が表れている可能性があります。この変化をつかむために住民基本台帳データは役立つはずです。

3.国勢調査との違い

 まず調査方法が異なります。住民基本台帳は市町村に住民登録(入管法等改正法により、外国人住民も2013年版より完全収録)している方を対象に調査したものであるのに対し、国勢調査は住民基本台帳で届出が出されている住所にかかわらず、2010年10月時点で継続的に居住している人を対象とした調査です。つまり、転居したものの、住民票を転居先で登録していない場合、住民基本台帳は転居前、国勢調査では転居後の住所でカウントされます。
 また、収録項目も異なります。住民基本台帳は性年代別人口と世帯数のみですが、国勢調査は性年代別人口、世帯人員別世帯数、職業、職業など多岐にわたる項目が収録されています。居住特性を詳細に測りたい場合は国勢調査が有効です。ただ、前項でもふれたように、データ更新頻度が住民基本台帳は毎年、国勢調査は5年に一度であるため、住民基本台帳の方がデータ鮮度は高くなります(図1)。

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【図1】

4.住民基本台帳メッシュデータ

 住民基本台帳はもともと町丁目単位で収録されているデータですが、店舗の商圏調査で多く利用されているメッシュ単位でも整備されています。これは住宅地図メーカーのゼンリン建物ポイントを用いて建物按分という手法で推計したものです。図2をご覧ください。町内は、河川の影響で居住人口がいないエリアと住宅街エリアに分かれていますが、密集度合いを用いて町の人口、世帯数を100mメッシュ・500mメッシュに割り振っています。この住宅密集度合いはゼンリンの住宅地図を用いて算出しています。

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【図2】

5.100mメッシュのメリット

 最近では都市部の再開発が進み、人口の都心回帰が進んでいます。流通各社は人口が増加する都市部において、様々な工夫をしながら店舗網を拡大しています。その中で都市型小商圏フォーマットの店舗が増加しています。都市型小商圏を分析するうえでより細密なメッシュのニーズは高まっています。それに対応するデータとして100mメッシュは有効です。豊洲駅周辺の人口分布を、図3-1では従来の500mメッシュ、図3-2では100mメッシュで表してみました。細密な人口分布が一目瞭然でわかります。

 また、商圏単位でデータを集計する場合、メッシュ単位の値を面積按分します。どの単位のデータを集計するかによって商圏内の数値が異なってきます(図3-3)。より細密なメッシュの方が誤差の少ない面積按分が可能になります。

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【図3-1】

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【図3-2】

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【図3-3】

6.人口推移で比較する2013年住民基本台帳と2010年国勢調査

 先述の通り、国勢調査と住民基本台帳は調査方法の違いがあり単純比較はできませんが、全国の主要都市のうち、大きな違いが出ている500mメッシュをピックアップします。

○札幌市 月寒東
 2011年10月に建設された国家公務員宿舎月寒東住宅がある場所です。662戸の大規模住宅が完成したことにより、人口動態が大きく変化しています(図4-1)。

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【図4-1 札幌市 月寒東】

○仙台市 あすと長町
 仙台市の副都心の一つ。長町駅貨物ヤード跡地
(線路東側)にあたり、近年商業施設、住宅の開発が進むエリア(図4-2)。

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【図4-2 仙台市 あすと長町】

○さいたま市 浦和美園駅
 埼玉スタジアムに隣接し、2002年ワールドカップ開催に合わせて鉄道が開業。近年駅周辺にマンションが建築され人口増加傾向にある(図4-3)。

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【図4-3 さいたま市 浦和美園駅】

○江東区 有明テニスの森
 湾岸エリアに位置し、近年タワーマンションが林立する人口急増エリア(図4-4)。

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【図4-4 江東区 有明テニスの森】

○名古屋市 茶屋ヶ坂公園
 名古屋で人気の閑静な住宅街。最近では公園の南側を中心に大型マンションが建設され人口増加傾向にある(図4-5)。

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【図4-5 名古屋市 茶屋ヶ坂公園】

○吹田市 南千里
 千里ニュータウンの最初の駅である南千里駅南側。近年再開発が行われ、2011年に大規模分譲マンションが完成し人口動態が大きく変化している(図4-6)。

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【図4-6 吹田市 南千里】

○広島市 牛田住宅
 札幌市月寒東同様、大規模な公務員宿舎が完成し人口動態が大きく変化(図4-7)。

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【図4-7 広島市 牛田住宅】

○福岡市 百道浜
 福岡ドームに隣接する埋め立てエリア。最近タワーマンションが建設され、人口増加傾向にある(図4-8)。

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【図4-8 福岡市 百道浜】

最後に、今回の分析は、商圏分析用GIS(地図情報システム)「MarketAnalyzer™」を用いて行いました。ご興味をお持ちいただきましたらお気軽にお問い合わせください。

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