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トラベルタイム商圏

トラベルタイム商圏とは、自動車・徒歩など道路を軸にした商圏設定方法です。GISを用いて商圏分析を行う際の商圏設定方法として、都心や繁華街での商圏分析を除き、このトラベルタイム商圏設定でより正確な商圏分析が可能となります。

 

 

1.GISでの道路地図の活用

 一般的にGISを用いて商圏分析を行う際の商圏設定方法として、①任意に地図上で商圏を作成、②円形商圏、③自動車・徒歩など道路を軸にしたトラベルタイム商圏などが挙げられます。各商圏設定にはメリット・デメリットがあり、①は商圏設定を詳細に商圏をシミュレーションすることができる反面、主観が入り過ぎることがあり客観性に欠けることがあります。また②円形商圏は一般的によく使われる手法ではありますが、地理的要因(山や川など)や交通要因(鉄道の踏切や大規模な国道など)による商圏分断要因を加味できないため、過度に商圏人口を集計してしまう可能性があります。その点、道路を軸にしたトラベルタイム商圏設定では、①②のデメリットを解消することができ、より正確な商圏分析を行えます。

 そのトラベルタイム商圏にて自動車到達圏を設定する際、道路ネットワーク情報を用いて到達エリアをシミュレーションする手法が多くみられます。弊社GIS(MarketAnalyzer™シリーズ)もその一つであり、本稿ではこの道路地図の説明をいたします。

 

2.道路地図の特徴

 MarketAnalyzer™に搭載している道路地図には、交通センサス情報(国土交通省)を搭載しています。自動車到達圏を作成する際には、この交通センサス情報の「旅行速度」を使い、到達圏をシミュレーションしていきます。

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【図1 円形商圏とトラベルタイム商圏の違い】

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【表1 商圏人口の違い】

 

 図1、表1は、円形商圏とトラベルタイム商圏のエリアの商圏人口の差を表しており、地図を見る限りではそれほど大きな変化はないものの、5km圏内と自動車15分圏内では10%以上の差異が出ていることがわかります。

 更に、この交通センサス情報が2011年版と2012年版の地図では大きく異なっていることをご存じでない方も多いかもしれません。昨年2010年調査のデータが国土交通省から発表されたことを受け、2012年版には2010年の交通センサス情報が搭載されていますが、2011年版には2005年交通センサス情報が搭載されています。

 交通センサスは、国土交通省が概ね5年毎に全国一斉に自動車の利用実態を調査したデータです。

 主な調査項目としては、道路状況調査:沿道状況区分、交通量調査:時間帯別交通量、旅行速度調査:混雑時旅行速度、昼間非混雑時旅行速度が挙げられます。そのうちMarketAnalyzer™には、昼間12時間平均旅行速度と交通量が搭載されています。では、この情報が更新されることで商圏分析にどのような影響が出るのでしょうか。以下でこの違いを見ていきたいと思います。

3.道路地図の特徴

①道路が新しく開通・渋滞が解消されたパターン
 図2は、ららぽーと甲子園店から自動車30分到達圏をシミュレーションした図です。店舗北側(大阪市内)での商圏が広がっており、道路が開通し、渋滞が解消されたと考えることができます。また商圏人口としては、約3万人増加しています。

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【図2 ららぽーと甲子園店にて自動車30分圏内を検証】

 

②渋滞が激しくなり行動範囲が狭くなるパターン
 図3を見ると、①とは逆にららぽーと新三郷店では商圏が狭くなっています。これは新三郷駅、越谷レイクタウン駅周辺に近年大型の郊外商業施設が相次いで開業したことにより、周辺道路の渋滞が激しくなったためと考えられます。当然商圏人口は約2万人減少しています。

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【図3 ららぽーと新三郷店にて自動車30分圏内を検証】

 

4.まとめ

 今回は商圏設定を取り上げました。旅行速度が更新されたことが商圏変化の最大の原因であることは言うまでもありません。上記の比較地図が物語っているように、道路情報(旅行速度)が古いだけで、数万人というレベルで商圏人口を誤認してしまう恐れがあります。エリアマーケティング(商圏分析)という分野においては、商圏内の居住特性(人口、年齢、職業、家族構成、年収、消費など)を読み解く必要があると言われています。これは大事なことであるものの、特に郊外店での出店計画・既存店分析には、道路という指標が大きく影響していることが分かります。弊社では様々な商圏設定がある中でも都心や繁華街での商圏分析を除き、道路を基準にした商圏設定・商圏分析をお勧めしています。

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