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メッシュ代表点

メッシュ代表点とは、500メッシュや1kmメッシュ等、各メッシュが内部的に持ち合わせている対角線が交わる中心点のことです。

メッシュ

 

 

メッシュ代表点データを利用した立地特性別の出店傾向の考察

 メッシュ代表点をご存知でしょうか。GISをご利用の方でご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、通常はこの代表点データなるものは地図上に表示されないため、意識される方は少ないかもしれません。

 メッシュ代表点とは、500メッシュや1kmメッシュ等、各メッシュが内部的に持ち合わせている対角線が交わる中心点のことです。地図で表すと図1の●で表されている1つ1つがメッシュ代表点です。

 今回は、この代表点を分析基点と見立て、代表点の周辺にコンビニが何店あるか、統計的な数値はどうなっているかに焦点をあて、コンビニ各社の出店傾向を考察していきます。

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【図1 3次(1km×1Km)メッシュの代表点】

 

2.利用データと分析手順

 今回分析に使用するコンビニ(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン)や統計データを表1にまとめました。

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【表1 分析条件】

 分析を行うにあたって、次の手順で行いました。

①メッシュ代表点を中心に半径500m円の商圏をGIS(地図情報システム)「マーケットアナライザー(MarketAnalyzer™)」を用いて作成(図2)。
②各商圏における屋号別の店舗数と統計データの値
 を取得。
③得られた値を偏差値に置き換え、それぞれの立地(メッシュ代表点)を評価。
④店舗数が最多の屋号を各立地の「一番店」とし、
 それぞれの立地の出現数を取得。
⑤一番店屋号をメッシュ単位で表しつつ、各統計データの偏差値が50以上か未満かで屋号別の出店傾向を考察(図3)。

 東京都においてどのエリアで強力に出店が行われているかの全体像が見えてきます。
 統計データは6種類を使用します。基本的に人口に関連する項目を使用しました。コンビニは私たちの生活を支えるインフラになっていることもあるため、立地判断の要素としては居住者の多さはもちろんのこと、店舗タイプと棚割、プロモーションなどの施策へつなげられるように年齢別人口や男女比などを使用します。これら統計データは居住地型の立地における分析で重要な要素ですので、オフィス型立地の分析においては事業所数を併せて見ていくことをお薦めします。

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【図2 メッシュ代表点から半径500mの値を取得する】

3.分析結果と各社の出店傾向

 表2は一番店および一番店の組み合わせごとに立地(メッシュ代表点)の出現数をまとめたものです。

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【表2 立地特性別一番店出現数】

屋号別の店舗数が同数の場合は併記しています。
また立地特性は6つの統計により6分類しています。6項目の統計値のいずれかの偏差値が50以上のもので5つ、いずれの偏差値も50未満のもので1つの計6つに分類しています。

 集計の結果、次の出店像が見えてきました。最も出店数の多いセブン-イレブンは、一番店立地数が最も多く、302箇所存在しています。さらに、6つの統計全てが偏差値50以上の立地でも最も多く出現しており、149箇所存在しています。つまり有望な立地を押さえていることが分かります。

 ローソンについては優良立地を押さえながらも他社とは異なり、事業所偏差値が50以上の立地で一番店の地位を確保しており、オフィス街への積極出店がうかがえます。

 一方で、6統計全て偏差値50未満の立地では、どの店舗も出店していない立地が1055箇所あります。ここで注目すべきは、このような立地でファミリーマートが1番店になっている立地が31箇所もあることです。セブン-イレブンの37箇所と同等の出現数というのが印象的です。

 ファミリーマートは事業所偏差値50未満の立地でも40箇所に出店しており、ローソンの倍近く出現しています。事業所の数が少なめであっても居住者特性がある程度のレベルに達していれば積極的に出店を行っていることがうかがえます。

 一番店立地の分布を地図に表現したものが図3です。セブン-イレブンは都心部をドーナツ状に囲いながら西東京にも広く広がっており、ファミリーマートは新宿区、豊島区、中央区の都心部のほか東京北部にも集中、ローソンは渋谷区、品川区、目黒区に集中していることが分かります。

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【図3 コンビニ一番店MAP】

4.出店傾向の補足

 集計表とMAPから、各コンビニの出店力学の概要は把握できました。ではこの出店状況の差は何に起因するのでしょうか。

 それは、先の集計表の“その他”(偏差値50以上の組合わせがまちまち)の立地と、6つ全ての統計値が偏差値50未満の立地にヒントがあると考えられます。

 次頁の表3は、ファミリーマートが立地特性“その他”で一番店となっている立地における立地評価と各社の出店件数をまとめたものです。

 事業所偏差値の高い立地に集中して出店しているのは明らかですが、逆に事業所の偏差値が50未満の場合は、65歳以上人口の偏差値が低い立地で1~3店舗出店しており、他社の店舗数は極めて少ないです。これは同社のスローガンでもある、お客の近くにあり便利な店というコンセプトを実践した結果なのかもしれません。

 なお、全ての統計項目で偏差値が50未満の立地も同様に調べてみたものの、際立った傾向を確認することはできませんでした。

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【表3 ファミリーマート一番店立地における立地特性“その他”の立地特性内訳と各社出店件数】

5.まとめ

 今回はメッシュ代表点を立地と見立て、ひしめくコンビニエンスストアの店舗数から一番店を探り、任意の統計データを偏差値化して立地評価の基準として商圏分析用GIS(地図情報システム)「マーケットアナライザー(MarketAnalyzer™)」を用いて分析してみました。
 各社ごとの出店傾向を捉えられたと思いますが、これを各社の重点商品やターゲット顧客などにより深く関連させて仮説・検証していくことで、よりリアルな分析ができるのかと思います。

 メッシュ代表点を分析視点の切り口の1つとして捉え、より活発なエリアマーケティングに結び付けていただければ幸いです。