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ジオデモグラフィクス

ジオデモグラフィクスとは、地図や地理学をあらわすジオグラフィと性別、年齢、年収、住居タイプなどの人口統計学をあらわすデモグラフィからなる造語です。GIS(地図情報システム)は人口や世帯などの統計データを地理的に分析するもので、店舗分析、顧客分析、販促など様々なシーンで活用されています。

商圏分析において、国勢調査などの定量データではなく、それら様々なデータ項目を用いて地域を定性的に分類したデータのことをジオデモグラフィクスデータを呼ぶ場合もあります。商圏分析用GIS「マーケットアナライザー(MarketAnalyzer™)」に搭載できる居住者プロファイリングデータは小地域の居住特性を分析するためのジオデモグラフィクスデータです。

 

 

エリアごとの消費嗜好性分析

消費構造や社会構造が多様化している現在、エリアマーケティングにおいて、どこにどんな人がどれだけいるか?という定量的な分析だけでは、十分ではないケースが増えています。弊社もクライアントから「地域ごとに消費嗜好性を分析したい」という課題を与えられることが多くあります。

ジオデモグラフィクスデータと購買者の居住地情報が紐付いたID-POSデータを用いた消費嗜好性分析手法をご紹介します。

ジオデモグラフィクスデータ

まずジオデモグラフィクスデータについて説明します。ジオデモグラフィクスデータは地図(ジオ)上でデモグラフィック(人口統計学)データを用い、町丁目等の小地域単位でエリアをセグメンテーションしたデータです。

国勢調査をベースに、年齢別人口、世帯人員別世帯数、産業別就業者、住宅所有・建て方、家族形態など居住特性を表す主要項目を用いて統計解析を行い、地域をセグメンテーションしています。同じ地域分類に住む居住者が「類は友を呼ぶ」ように、同じような特徴を持ち、類似した消費生活を営むことを前提としており、地域分類別の消費特性の分析に活用されています。

弊社のエリアマーケティング用GIS(地図情報システム)マーケットアナライザー(MarketAnalyzer™)では、日本全国を30の地域に分類した『居住者プロファイリングデータ』を提供しています。

戦後の人口動態の変遷

戦後の人口動態はベービーブームによる人口急増や高度経済成長に伴う都市部の開発、地価高騰を背景にめまぐるしく変化を遂げてきました(図1)。
この変遷について詳しく見ていきます。

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【図1 戦後の人口変遷】

戦後団塊世代が生まれ、都市部での人手不足と農村部では長男のみが農業の跡を継ぐという事情を背景に、1960年代、地方から都市部へ若い労働者が「金の卵」として流入しました。同時に都市部では職住分離生活が始まり、近郊の宅地開発が急速に進みドーナツ化現象が生じます。この時代に多摩ニュータウンや松原団地など公営、公団住宅の造成が始まりました。

80年代はバブル経済による地価高騰に伴い、郊外で宅地開発が進み人口が急増しましたが、2000年以降は、都市部の再開発が行われ、タワーマンションの林立など人口の都心回帰が進み、ドーナツ化の逆転現象が発生しました。かつての団地や郊外住宅には親世代の高齢者がそのまま居住する反面、子供世代は生活利便性を求めて都市部に人口流出する傾向が生じました。

このような都市開発の変遷に伴い、地域によってライフステージ、ライフスタイルの大きな違いが生じています。これらの違いを定性的に把握するにはジオデモグラフィクスデータが有効です。

居住者プロファイリングデータ

居住者プロファイリングデータから、例として2つの地域分類を紹介します。最も都会的な地域分類である「都会のセレブ」(図2)は3次産業に従事し、マンションなどの共同住宅に住む世帯が多いのが特徴です。

年収、貯蓄レベルの高い超富裕層と若年単身層が混在しています。これらのエリアは流行感度とブランド意識が高く、消費意欲が旺盛な傾向があります。

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【図2 都会のセレブ】

もう一つの地域分類「子育てを終えた郊外型家族」(図3)は居住期間が20年前後のバブル期に開発が進んだエリアで、都心への通勤利便性に欠けるため、子供世代が独立とともに都市部に流出した結果、団塊世代を中心とした親世代のみがとどまる形になり、急激な高齢化が進んでいます。

ただ、高齢化といっても団塊世代はまだまだ元気で、定年後のセカンドライフを楽しむアクティブシニアが多く、レジャーや健康維持などへの消費傾向が高いです。

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【図3 子育てを終えた郊外型家族】

ジオデモグラフィクスデータとサイコグラフィックの融合

ジオデモグラフィクスデータは地域別の居住特性を把握するのに有効ですが、このデータのみでサイコグラフィック的要素(嗜好性、価値観、ライフスタイル)を探るのは少々困難です。

ジオデモグラフィクスデータ上でサイコグラフィック要素をつかむには、顧客データやネットリサーチなどを通じて取得した消費行動、嗜好性等のデータが不可欠です。今回は居住者プロファイリングデータ上にID-POSデータを取り込み、消費嗜好性を分析します。

 

■分析の手順
 今回は、とあるドラッグストアチェーンのID-POSデータを用いて分析を行います。まず、郵便番号別に付与された居住者プロファイリングデータの30の地域分類コードをID-POS顧客データに紐づけ、1年間の全顧客ID数と品目別購買顧客ID数を、それぞれ地域分類別に算出します。次に全顧客ID、品目別購買顧客ID別に地域分類別の顧客出現率を算出します。そして、品目別IDの地域分類別出現率を分子、全顧客IDの地域分類別出現率を分母としindexを作成。品目別に、販売効率の良い地域分類を導き出します。

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【表 index算出の流れ】

■分析結果
 品目別に販売効率の良い地域分類をまとめました(図4)。品目別に『○』のついた地域分類はindexが高い、すなわち販売効率が高いことを表します。また、関東近辺で品目別のindexが高い地域分類の分布を作図しました(図5)。

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【図4 indexが高い地域分類】

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【図5 indexが高い地域分類の分布図】

◯蚊取り線香
 農村エリアと都市部の下町エリアでindexが高い。高齢者が多く昔から愛用する層が多い。
◯ノンシリコンシャンプー
 都市部の流行感度の高い地域特性エリアでindexが高い。
◯高級ペットフード
 都市部のDINKSが多いエリアと子供が独立した高齢者エリアでindexが高い。生活にゆとりがあり、ペットにかける費用が高い地域特性エリア。
◯高級健康食品
 郊外の高齢富裕層が住むエリアでindexが高い。
こちらも生活にゆとりがあり、健康意識が高い。

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